皆さん、昨日未明のスピカ食はご覧になりましたか?下の画像は、塚田学芸員が自宅近くで撮影したスピカ出現直後の様子です(映像からのトリミング)。

スピカ食、見逃してしまった!!という方もいらっしゃるかもしれません。次はいつか?気になるところですよね。ただ、実は意外と(?)先なのです。
次に平塚市内でスピカ食が見られるのは2069年7月25日(木)。下の画像は天体シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」で再現した潜入直前の月とスピカの様子です。潜入は20時14分(暗縁)、出現は21時30分(明縁)です。宵の空で条件よく見られるのですが……45年後ですね。皆さん、何歳になる年でしょうか?

ところで、スピカのような1等星(もっとも明るく見える星のグループ)は全天で21個あるのですが、そのうち月が隠す=星食を起こす星はスピカを含め4つしかありません。残るはしし座のレグルス、さそり座のアンタレス、おうし座のアルデバランの3つです。どれも天球上の太陽の通り道=黄道の近くにある星たちですね。星食を起こす1等星が4つしかないということは、ぜひともコンプリートしたいところ。では、レグルス食、アンタレス食、アルデバラン食は次いつ起こるのでしょう?
まずはレグルス食。レグルス食はすぐ見られます。1年ちょっと後の2026年1月7日(水)未明。潜入は1時17分(明縁)、出現は2時18分(暗縁)で、月が明るいのが難点ですが(満月の4日後)、月は空高く懸かり全経過を見ることができます(下の画像は潜入直前の様子)。

アルデバラン食が見られるのは、次は2035年2月16日(金)です。潜入は21時57分(暗縁)、出現は23時(明る縁)で、時刻的にも月の形的にも空での高さ的にも条件はばっちりです。ほぼ20年後、楽しみに待ちましょう!(下の画像は出現直後の様子)

最後にアンタレス食ですが、これが難関!2042年6月3日(火)~4日(水)にかけて見られますが、満月の数時間前ということで潜入も出現も明縁です。アンタレス食と言えば、普段はなかなか見ることができないアンタレスの伴星(青い!)を見るチャンスなのですが、満月の明るさに負けてしまってまず見ることはできないでしょう。次のチャンスは2061年2月14日(月)ですが、このときは出現時刻には薄明が始まってしまっています。その後、21世紀中は日本でアンタレス食は見られないのです。

さぁ、皆さんは1等星の星食をすべてコンプリートできるでしょうか!?