今日8月23日は新月。これから日に日に月は満ちていき、次の満月の夜には月食が起こります。

月食とは、月が地球の影に入り、太陽の光が当たらなくなることで、地球から見ると月が隠されて欠けて見える現象です。影は太陽から見て地球の後方に伸びますから、月食が起こるのは必ず太陽-地球-月が一直線に並んだとき、すなわち満月の日です。ただ地球の公転軌道面(地球が太陽のまわりを回る平面)に対し月の公転軌道面(月が地球のまわりを回る平面)が傾いているため、満月のたびに月食が起きるわけではありません。今回の月食も、世界的に見ればおよそ半年ぶりのことです。

月の一部だけが地球の影に入る部分月食と、月全体が地球の影に入る皆既月食とがあります。9月8日に見られるのは皆既月食。平塚で皆既月食が見られるのは2022年11月8日以来、約3年ぶりです。

皆既月食は月が地球の影にすっぽり収まってしまうわけですが、月が完全に見えなくなってしまうかというとそうではありません。地球には大気があるため、太陽光が地球の大気によって曲げられて地球の影の中に入り込み、月まで届くためです。しかも、地球の大気を通過する間に太陽光に含まれている青っぽい光が散乱してしまい、赤っぽい光だけが月に届きます。そのため皆既食中の月は赤くぼんやりと光って見えるのです。

しかも、その”赤味”は皆既月食のたびに異なります。それは、地球の大気の状況によって赤っぽい光がどのくらい透過するかが変わるためです。たとえば1993年6月4日に見られた皆既月食は、2年前のフィリピンのピナトゥボ火山の火山灰が地球大気中に広がった影響を受け、赤っぽい光すら月まであまり届かず、かなり赤暗い皆既食となりました(下画像)。9月8日の皆既月食はどんな色に見えるでしょうか。

9月8日の皆既月食は、未明から明け方に起こります。すなわち9月8日の夜ではなく9月7日の深夜と覚えておいた方がいいでしょう。夜ふかしでしょうか?早起きでしょうか?だんだんと月の高度が低くなっていきますので、西の空が開けた場所を予め探しておくといいですね。

あとは晴れることを祈るのみ!晴天祈願!!