昨年から始まった野外観察入門講座「相模川流域ジオツアー入門」は、地質や地形を中心に、そこに関わる人々の営みの歴史にも着目して、野外を実際に歩いて学ぼうという入門講座です。

今年度第1回は「秦野盆地の地形と地層」ということで、10月4日に下見のため、秦野の調査に行ってきました。
秦野盆地は、金目川や水無川によって丹沢山地から運ばれた粗い礫が、扇状に堆積した扇状地からなります。この扇状地の堆積物から湧く秦野盆地湧水群は名水として有名で、江戸時代以前から生活用水に使われてきたと考えられています。

曾屋神社付近から湧き出す湧水

金目川の支流である葛葉川沿いにある「葛葉緑地」と呼ばれる緑地内では、およそ10~8万年前に箱根火山からもたらされた火山灰の地層を見ることができます。

葛葉川沿いに見られる吉沢ローム層。白い帯は軽石や火山灰からなります。

また葛葉川下流では、秦野断層という活断層の存在が分かっており、葛葉川の蛇行は断層活動によって下流川が隆起したためと考えられています。

……といったことを本番(15日)で解説する予定でしたが、残念ながら雨天により中止となりました。無念。
(ご応募戴いた皆さま、たいへん申し訳ありませんでした。来年同じコースで再度実施予定です。)

第2回「二宮周辺の地層と古墳群」は12月に実施します(詳しい日程などは『広報ひらつか』や『あなたと博物館』に今後掲載予定です)。