当館2冊めとなる史料叢書『相模国小田原藩士 井沢家文書 見聞雑書』が刊行されました。編集は平塚市博物館古文書講読会です。

平塚市博物館史料叢書2『相模国小田原藩士 井沢家文書 見聞雑書』表紙

「見聞雑書」は小田原藩士井沢門大夫が文久3年(1863)に記録したもので、幕末の江戸・京都の動向や世相の動きを手控えとして記述したものです。井沢家は代々御留守居役・御用人や勝手方を勤め、藩の情報に接する機会も多く、見聞は役を務めるためにも重要な情報になったと思われます。

 内容は大名の評判や尊王攘夷運動、京都の政治情勢、生麦事件によるイギリス軍艦の横浜集結など幕末の諸事件の情報のほか、人から聞いたさまざまな話・風聞が記録されています。

 また、本書には井沢家代々の家禄・職歴・賞罰や親類縁者を記録した「井沢家先祖書」も収録しています。

 本書は活字だけでなく写真もあわせて掲載していますので、古文書の学習にも適しています。A4版、249頁。博物館にて500円で頒布しています。

平塚市博物館史料叢書2『相模国小田原藩士 井沢家文書 見聞雑書』内容