今日から9月。残暑はまだまだ続きそうですが、朝晩はいくらか涼しく感じられるようになったでしょうか?とはいえ、地上の暑い寒いなど知る由もなく、星空は規則正しく巡っていきます。宵の空はだんだんと秋模様になってきました。

宵の空を見上げると、まだまだ夏の大三角は天頂(頭の真上)近くに懸かっています。が、秋の星たちも多くが地平線の上に昇ってきています。秋の星座の先駆けは黄道十二星座のひとつ、やぎ座でしょうか。明るい星が少なく目立たない星座ですが、真東の空に昇ってきた秋の四辺形を頼りに見つけることができます。“対角線”を伸ばしていきましょう。同時にみずがめ座も探すことができますよ。

秋の四辺形は、秋の星座探しにたいへん役に立ちます。まだ秋の星座たちが昇りきっていないので、また来月以降に紹介することにしましょう。

9月22日には土星が衝となります。衝とは、太陽、地球、惑星が、この順に一直線に並ぶことを言います(下の図も参照してください)。月で言えば満月に相当します。つまり一晩中、空に出ているわけで、もうすぐ観望好機を迎えることになります。今年は、土星のアイデンティティとも言うべき環(リング)をほとんど真横から見ることになり、とても細い、ほぼ“線”という感じの環を見ることができます。博物館の「星を見る会」などに参加して、ぜひ見てみてください。

続いて9月の天文現象をご紹介しましょう。

【9月8日】皆既月食
9月8日の未明から明け方にかけて(なので実質的には9月7日の夜です)、日本各地で3年ぶりに皆既月食が見られます。月食については、別に解説記事を書いていますので、詳しくはそちらをお読みください。

【9月23日】秋分
しばしば昼と夜の長さが等しくなる日、と言われますが、厳密には違います。とはいえ概ねこの日を境に昼より夜が長くなります。太陽がちょうど真東から昇って真西に沈んでいく日でもあります。日本では秋分の日をはさんだ一週間を「彼岸」と呼びますね。これは太陽が極楽浄土のある真西に沈んでいくからだとか。この日、ちょっと特別な気持ちで日没を臨むのもいいかもしれません。