先日、平塚市四之宮の本家長嶋達磨店に調査に行きました。現在神奈川県で売られているだるまのほぼすべてが平塚で作られています。そのうちの一軒が、本家長嶋達磨店です。

とはいっても今回の目的はだるま作りの調査ではありません。「あるもの」の里帰りに立ち会うためにお伺いしました。

そのあるものとは…

お面の木型です。本家長嶋達磨店が神奈川県立歴史博物館に資料として貸し出していた木型がこの日戻ってきました。

上の写真には写っていませんが、狐のようなお面もあります。このお面を含めて全部で七つありました。

この木型で作ったお面が、どこでどのように使われていたのかはまだわかりませんが、大野小学校の創立100周年のときにこの木型で作ったお面で出し物をしたかもしれないとのことです。

このお面の木型と同じように、だるまも昭和50年頃までは木型に紙を貼って張子を作っていました。だるまの木型もお面の木型も、彫りやすくてやわらかい松の木を使うことが多いそうです。

これはだるまの木型です。木のままだと手前の右の木型のようにひび割れてきてしまいます。そのため、後ろに写っている木型のように、張子を貼って保存しておきます。

作業場には、これから模様やひげが描かれるだるまがずらりと並んでいました。

だるま市は暮から正月にかけて行われます。そのため、この写真からもわかるように、だるま作りもこれからが本番となります。お忙しい時期にお話を聞かせていただき、ありがとうございました。