福徳岡ノ場の噴火が話題になっています。

福徳岡ノ場は小笠原諸島の南硫黄島の北4㎞にある海底火山で、今回の噴火は戦後最大級とされます。特に今回の噴火では大量の軽石が噴出して、1000km以上離れた沖縄周辺の広範囲に流れ着き、被害を与えています。

実は福徳岡ノ場は、現在から30年前の1986年1月にも噴火し軽石を噴出しました。その軽石は、1991年9月に平塚の海岸でも発見されています。

1991年9月に平塚市虹ケ浜の海岸で採取された、福徳岡ノ場(1986年噴火)起源の軽石

灰色がかった色、黒い溶岩片(玄武岩)が含まれている点、サンゴが付着しているものがある点、などの特徴と、化学分析による結果により、福徳岡ノ場起源であることが明らかにされました。

噴火後5年も後に発見されたものであること、発見直前に台風があったことから、一度どこかに堆積していたものが台風の影響で海に流れて、その後再び平塚に流れ着いたものではないかと考えられます。

1986年に噴火した福徳岡ノ場起源の軽石の漂着(森ほか1992;加藤, 1998に基づき作成)
1986年に噴火した福徳岡ノ場起源の軽石の漂着(森ほか1992;加藤, 1998に基づき作成)

このように軽石などの漂着物が、どこに、いつ、どのようにして流れ着くかを知る事は、海流がどのように動いているかや、堆積物はどのように動いて堆積するのか、などを理解するうえで大切な情報なのです。

より詳しいことをお知りになりたい方は、平塚市博物館アーカイブ「小笠原から来た漂着軽石」(下記ページ)をご覧ください。

https://hirahaku.jp/web_yomimono/geomado/driftpm.html