前回の博物館日記で、《新着資料展~民俗・歴史》に展示中の「小さな色鉛筆」をご紹介しました。その持ち主磯部セツコさんが5月26日に来館されました。大正15年生まれのセツコさんは、展示の品々を見ながら、子ども時代のことをたくさん語ってくださいました。色鉛筆のこともよく覚えていられて「短くなったらサックをはめて大事に使った。6~7歳頃だと思う」と話されていました。

来館された磯部家3代で記念写真を撮りました。

 セツコさんによると、父親は、英語を学んで横浜に勤めたということで、大変新しいモノ好きだったそうです。またセツコさんが「ほしい!」とおねだりしたモノは「おお、どこにあるんだ?」と気前よく買ってくれたそうです。「買って帰ると、そのことで、父と母はいつもケンカになりました」と、セツコさんは懐かしそうに、楽しそうに話されていました。

 約一世紀前の色鉛筆は、セツコさんと展示室で再会し、 いつの時代も変わらぬ家族の平和な風景を、 一緒に語ってくれているようでした。