長くも感じた博物館実習でしたが、残すところあと1日となってしまいました。そして、明日が実習生の企画した企画制作実習「継承のはじ、革命のすえ」の完成期日です。6日目の今日も、5日目と同様に企画制作を班ごとに行いました。班は、「展示・キャプション制作班」、「コラム 糸切り痕展示制作班」、「掲示板展示制作班」、「オリキャラ・ポスター看板・リーフレット制作班」(全て仮称)の4つに分けられ、それぞれの班が、与えられた担当を一生懸命に取り組んでいます。

 まず、朝一に実習生全員でキャプションなどに使用する文字フォントなどを話し合い、展示制作における統一性を図りました。私は「展示・キャプション制作班」を担当、展示ケース内の展示制作を主に行っています。5日目に展示する資料の選定・配置、キャプションの大まかな内容を考えました。6日目には、キャプション制作・掲示、資料・展示台の微調整を予定しており、予定通り取り組みました。

 キャプション制作の際、来館者に見やすく分かりやすい展示を第一に、文字の大きさやデザイン、文章の内容を考えました。しかし、データ媒体としてパソコンに出力されていた時は良いなと思っていたキャプションも、紙媒体として出力、展示ケース内に掲示して全体とのバランスを見たときには、どこか殺風景な見づらい印象を受けました。2日目に栗山学芸員が仰っていた「展示はキャプションと展示資料とのバランスは難しい」という意味をよく理解し、学芸員の方の助言のもと改善していく予定です。

 また、キャプションなどの統一性を保持させるという意味は、フォントだけでなく、表現方法、漢字変換なども考慮しなければなりません。これまでの座学で学んできた“展示”とは異なり、非常に多種多様な視点から展示を考察・熟知することこそが“展示”という不透明な媒体と来館者を繋ぎ、理解を得てもらうことができると思います。そして本来は、これら全ての担当を考察・遂行することを一人または少人数の学芸員が担います。学芸員に驚くとともにその大変さを再認識しました。 明日の7日目は、4日間に及ぶ実習生全員の努力の結晶、6日間の学習の成果を示す企画展示の完成日です。太陽の出ているうちに完成させたいと思うとともに、これまでに学んだことが活かせる展示が行えたらなと思っています。

展示の配置を考える実習生たち
解説パネルの文章を念入りに検討中

神奈川大学 中里 実博