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自然探偵とモリアオガエル<神奈川県> 平塚市博物館公式ページ

    神奈川県のモリアオガエル <分布の不思議>

神奈川県のモリアオガエルの分布
探偵「神奈川県では、不確かな古い記録はいくつかあるんだけど、専門家(せんもんか)がはっきりモリアオガエルを確認したのは、1980年代になってからのことで、藤野町(地図の1)にいることがわかった。藤野町では、佐野川という地区を中心に、あちこちで産卵する池が見つかっている。小学校のプールに産んだ例もあったんだ。藤野町の隣の東京都八王子市には、生息地がいくつもあるから、藤野町は自然分布(しぜんぶんぷ)と考えていいだろうけど、なぜ長い間、話題(わだい)にならなかったのかが不思議(ふしぎ)なところだ。もしかすると、だれかが八王子かどこかから引っ越しさせたんじゃないかという疑いも少しは残る。」
博「藤野町のほかは、ずいぶん飛び離れた場所だね。」
探偵「2番目に見つかったのは、鎌倉市(地図の2)だった。ここはお寺の池に毎年、産卵に来るんだけど、どうも人が持ち込んだ可能性が大きいと言われている。」
物子「カエルを持ち込んで放す人なんかいるのかなあ?」
探偵「3番目に見つかったのは、南足柄市(地図の3)で、人工的に作られた池の上の木で卵が見つかった。4番目が中井町(地図の4)で、ミカン畑にあるコンクリート製の水槽(すいそう)が産卵に使われていた。」
博「南足柄と中井も人が持ち込んだということなの?」
探偵「それが、よく分からないんだ。特に中井町の場合は、7ヶ所もで卵が見つかったから、そのあたりに定着(ていちゃく)していることは確かだし、昔からいた可能性もある。でも、これだけ目立つ習性を持つカエルだから、昔からいたとすれば、そのあたりの人はだれでも知っていそうなものだけど、そうでもないのが不思議なところだね。」
物子「けっきょく、神奈川県のモリアオガエルは、もともといたものか、人が持ち込んだのかよく分からないっていうことね。」
探偵「千葉県の房総半島(ぼうそうはんとう)にはたくさんのモリアオガエルがすんでいるんだけど、これも持ち込まれたのではないかという説がある。人の力が、動植物の分布に影響を与えていることは多いんだよ。」

水槽の上に産まれた卵
水槽の上に産まれた卵(中井町)

 参考文献/環境庁,1982.『日本の重要な両生類・は虫類の分布』(http://www.biodic.go.jp/reports/2-19/2-19.pdf からダウンロードできる)/新井一政,1983.藤野町で発見されたモリアオガエルについて.『神奈川自然誌資料』4:56-59./新井一政,1994.鎌倉で発見されたモリアオガエル.『かながわの自然』56:21-13.神奈川県自然保護協会./新井一政,1997.金時山山麓(南足柄市)で発見されたモリアオガエル.『神奈川自然誌資料』18:27-29./相原宗由ほか,2004.中井町古怒田で発見されたモリアオガエル.『自然と文化』27:45-47.平塚市博物館. (『神奈川自然誌資料』は県立生命の星・地球博物館発行)


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