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石材図鑑 火山岩類7 (伊豆と山梨の火山岩)

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最終更新 2005年3月

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火山岩類7 (伊豆と山梨の火山岩)

柿木石の接写 柿木石の寺銘塔
柿木石 (複輝石安山岩) ▲柿木石の寺銘塔  
  静岡県伊豆市大平 柿木達磨山東産      平塚市南金目 寂静寺
  達磨火山噴出物 58万年〜83万年前    
  達磨山東斜面から産出する複輝石安山岩で、達磨火山の溶岩です。達磨火山は安山岩質の盾状火山で厚い溶岩からなり、火砕物は少ないといわれます。細粒の花崗岩質岩の捕獲岩をよく含んでおり、色味の類似する小松石と区別できます。むしろ、山崎石に極めて似ていますが、山崎石よりも細粒で斑晶が小さいのが特徴です。硬く緻密で、割肌やコブ出し等に最適とされ、吸水性が極度に低く、耐寒性があります。記念碑・墓石・建築用貼石などに用いられ、小田原城修復・横浜市関内のみなと未来21地区の日本丸ドック・逗子市大崎公園・南金目寂静寺銘板などに利用されています。 
抗火石の接写 抗火石を使った外壁
▲ 抗火石 (軽石質流紋岩) ▲抗火石を使った外壁
  東京都新島村本村 向山産       平塚市代官町
  新島 向山火山溶岩円頂丘 886年?噴出   
 白〜淡紅色を呈する軽石質の黒雲母流紋岩で、新島の向山火山の火砕サージの上にのる溶岩円頂丘溶岩であり、西暦886年?に噴出したと考えられています。多孔質で加工が容易であり、軽量・防音性・耐酸性・耐火性・耐熱性・耐圧性に富み、特に耐火性に富むので抗火石と呼ばれます。防音材・消音材・断熱材・防火壁・書庫・金庫室・電気炉・耐酸煙突用材・公害防止関連用材・屋根・石塀・彫刻・庭石等様々に利用されます。ガラス質で多孔状の軟石で、明治以来採掘しています。 
山崎石の接写 山崎石の灯籠
▲山崎石 (複輝石安山岩) ▲山崎石の灯籠
  山梨県甲府市酒折町山崎産   甲斐市牛句
  水ヶ森火山岩類 片山溶岩 230万年前  
  甲州小松石・片山小松石(片山石)・小紋石などとも呼ばれます。山梨県甲府市酒折町山崎・甲府市山宮町片山・甲斐市牛句から産出する、青灰色の細粒の複輝石安山岩です。後期鮮新世の水ヶ森火山岩類の片山溶岩に属し、30m程の厚さがあります。水ヶ森火山岩類は、陸上に噴火した単成火山群で、放射性年代がK-Ar法で230万年前と測定されています。片山溶岩は、甲府盆地周辺から牧丘町乙女高原・須玉町木賊峠西方に分布しています。御岳昇仙峡の登竜岩はこの片山溶岩の火道岩脈といわれます。山崎石は真鶴の小松石と比べやや粗めで、むしろ柿木石に良く類ています。新しく開発された丁場のため大材がとれ、今後30年は採石可能といわれます。片山石は、山崎石と比べ色彩がやや薄いようです。墓石・墓外柵・土木用材(間知石)・割栗への利用が多く、他に石碑・灯籠・石塔・貼石として加工されます。
スケールバーは1cm

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