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軟弱地盤

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軟弱地盤



■ボーリングとは
 ビルや道路・橋など建造物を作る際には必ず地盤のボーリング調査が実施されます。これは建造物の基礎をどこに置き、どのような設計を行うかを決めるための地耐力を調べる調査です。ふだん見られない平野の地盤は、こうしたボーリング調査により知ることができます。この調査では実物標本(コア)が得られ、地盤の様子を表した柱状図が作成されます。柱状図には深さ毎の土層の種類、色、硬さ、特徴などと、1m毎の標準貫入試験が記されています。下図の折れ線がN値と呼ばれる貫入試験値です。これは63.5kgの重りを75cmの高さから落下させ、30cm潜り込むのに要する回数を示しています。すなわち、N値が小さいほど地盤が軟弱であることを示します。シルトや粘土、腐植土など泥質な堆積物はN値が低くなり、含水比が高く、構造物の支持力が小さいので軟弱地盤と呼ばれます。軟弱地盤では地震波の速度が硬い地盤より遅くなり、振幅は増大し、周期は長くなるので、ゆっくり大きく揺れることになります。
■軟弱地盤と地形
 軟弱地盤は平野の微地形と密接に関わり、水はけや地盤の良し悪しに深い関係があります。それは表層を作る地盤が地表の地形を形作っているからです。
 すなわち、砂州・砂丘は海浜に堆積した厚い砂層からなっており、砂丘背後の凹地(堤間凹地)は泥質な地層からなります。自然堤防は河川が氾濫したときに運んだ粗い土砂を川沿いに積もらせたもので、川沿いでは粗い砂礫や砂からなり、川から離れるに従い、シルト質砂〜砂質シルトとなります。後背湿地は氾濫した土砂が遠くまで運ばれて作られたもので、粒子の細かな泥(シルト)からなります。かつての流路である旧河道は河床礫を伴うものの、河道が廃棄されてからは細かな泥が堆積して埋め立てられたものです。台地は平野ができる以前に箱根火山や富士火山の火山灰が降下堆積してできたもので、厚いローム層からなっています。台地を刻む谷戸(谷底平野)は小さな河川の侵食により形成されたもので、台地がローム層からなるので、細かな泥や腐植土からできています。一方、相模川や金目川の河床であったところは粗い砂礫からできています。
 砂礫は最も硬く50以上の大きなN値となります。砂層も表層はN値が低くてもすぐに高くなりますが、微細砂層ではやや低い値となります。後背湿地・谷底平野・旧河道などを構成する泥質な堆積物(シルト層・粘土層・腐植土層・泥炭層)は、地下水位が高く水を多量に含んで、圧密されておらず、ぶよぶよした状態であり、一般にN値が5以下の軟弱地盤となります。下にN値が10以下の軟弱地盤の厚さの分布を示します。この図から、軟弱地盤の分布が微地形の区分と密接に関係していることが読み取れます。
 軟弱地盤の厚さを微地形との関係で見ると、砂州・砂丘、堤間凹地ではほぼ2m以下ですが、後背湿地・自然堤防・旧河道ではばらつきが大きく、3m以上で10mになることもあります。谷底平野ではさらに厚く、8m程にピークがあり、24mにも達することがあります。岡崎の谷戸など、小さな河川の谷底平野で軟弱地盤が厚くなります。
 微地形と軟弱地盤層厚だけでなく、地下水位・N値・平均粒径・細粒分・400ガル時のPL値を見ると、さらに、これらの要素が微地形と密接に関係していることがよくわかります。砂州砂丘・堤間凹地・旧河道・自然堤防・後背湿地・谷底平野の順に地盤が悪いことがわかります。

機械ボーリングによる掘削 ボーリング柱状図
機械ボーリングによる掘削
ボーリング報告書とコア
▲ボーリング報告書とコア ▲ボーリング柱状図
軟弱地盤の厚さ
▲平塚市域の軟弱地盤の厚さ(平塚市博物館1996, 平塚地質調査会による)


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