わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

砂丘砂と海浜砂

平塚の地形地質 (5.平野の地層をさぐる)

砂丘砂と海浜砂

最終更新 1998年5月

砂丘の砂と海浜の砂はどのように違うのでしょうか。相模湾沿岸の砂について調べた結果(太田・瀬戸1968)によれば、砂丘砂は海浜砂よりもより細粒であり、良くふるい分けられ、砂粒の円形度が高く、多くの重鉱物を含むという特徴があるようです。これは風によって海浜砂が選択運搬される結果であると考えられています。ただし、平均の粒径がいくつであるから砂丘砂であるとか、一定の基準値を設けて両者を判断することは、各場所によって地域差があり、できないといわれます。  平塚市域の遺跡などで観察する砂層は、一般に中砂〜粗砂であり、細礫を若干含んでいることがよくあります。こうした砂層は明らかに海浜砂の特徴であろうと思われます。標高10m以下の微高地は大部分こうした砂であることから、浜堤砂と考えられます。これに対して、標高10m以上の独立丘をなす高まりは、やや細かい砂で淘汰が良く、砂丘砂と考えられます。中原上宿遺跡の調査では、砂丘砂は2m程の厚さであり、浜堤砂の微高地の上に薄く重なっているものと考えられました。砂丘砂と海浜砂の判断はなかなか難しいものであり、海浜砂でも前浜の砂、後浜の砂、河川による影響などにより様々です。それぞれの砂がどんな特徴を持っているのか、もっと良く知りたいものです。

砂丘砂

海浜砂




ページの先頭へ