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_太鼓づくり_太鼓作りの工程

平塚のお祭り -その伝統と創造- (I)

 太鼓づくり 
 太鼓作りの工程


 平塚の盛んな囃子太鼓を支えているのが太鼓職人さんです。神奈川県には海老名市本郷の広崎太鼓店と平塚市大神の清水屋太鼓店の2店があります。清水屋太鼓店は、先代が浅草の宮本卯之助商店で修行し、戦後に伊勢原市大竹へ店を構え、後に大神へ移りました。顧客は神奈川県内はもちろん、南関東から東海一円に及びます。祭囃子用の太鼓から創作太鼓、日蓮宗の団扇太鼓まで、太鼓全般を製作しています。大胴一台を作るのに、皮のなめしから始まり、皮の仮掛け、天日干しと、本張りまでに約一カ月を要する工程です。

太鼓作りの工程
 太鼓の革は国産の肉牛を使う。皮屋から塩と薬品に浸けた生皮を仕入れる。皮を切断し、洗濯機にかけて洗う。そして皮をなめす。センで水と脂を押し出し、毛根を抜く。
 締太鼓は、なめしが終わると、生乾きの状態で鉄輪に革を掛ける。鉄輪には、帯を二重に巻き、その上から真竹の皮を二重に巻いておく。さび止めと滑り止めになる。革の外周に締め付け穴を10カ所あけ、クダを通す。なめしたその日のうちに革を縫う。縫い目は、内側から大目、中目、外目がある。大目は縫い目が太く長い。外目は縫い目が細く短い。糸は本麻を用いる。糸を撚って針に通す。縫い針は、革の厚みと糸の本数で使い分ける。縫い針は鋼で手作りする。縫い終えたら革の裏面の先端を曲げる。大きなペンチでしわを寄せながら曲げる。2縲怩R日干して完全に乾いたら、革の裏面をハンマーで叩いてさらに曲げ、カンナで平らに削って革は完成する。
 大太鼓は、生乾きのうちに仮掛け用太鼓に革を掛け、紐で引っ張って型どりする。これを仮掛けといい、一週間天日で干し、太鼓から外してさらに4縲怩T日干す。本張りは午前中2時間、午後2時間ぐらいかかる。依頼主が立ち会う。輪切りにした木を数個重ねて台に、上に太鼓をのせ、仮掛けの革をかぶせる。革の縁にロープを掛けて締め、カケヤで強く叩く。台の間にヤを打ち、さらにロープを締める。太鼓の上に乗り、足踏みする。体重をかけ、踊るようにかかとで踏み込む。こうして革を伸ばしては締め、好みの音になったら、鋲を二段に打つ。革切りで鋲の下の革を切る。締め直しをする革は縁付きで仕上げる。平塚の太鼓は強張りの上、バチを平らに打つので革が痛み、締め直しができないので縁を切り落とすことが多い。最後にニスを塗って完成である。
 太鼓の胴は型どりした木を仕入れ、コンパスで径の外周を引いて胴を削る。胴の内側はチョウナで削る。現在はグラインダーを用いる。

清水屋太鼓店



生皮


センで皮をなめす


竹の皮・帯と竹を巻いた鉄輪


締太鼓の革を縫う


縫い上がった革と縫い針


クダを通して天日に干す


大太鼓の革の仮掛け


革を踏んで伸ばす


革を締める

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