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_麦振舞神事の実際

平塚のお祭り −その伝統と創造− (I)

 麦振舞神事の実際


 他では見ることのできない独特の神事が四之宮前鳥神社に残されている。宵宮の9月27日19時、社殿正面へ神輿を据え、周りを白布で囲い、すべての照明を落とし、暗闇の中で遷霊祭、すなわち神輿のミタマ入れが行われる。照明が点ると、烏帽子白丁姿の担ぎ手20名がムシロに上がり、神輿に対し左右に10名ずつ向き合って正座する。白丁の前へ折敷と呼ぶ白木の膳が並べられる。折敷には、里芋の葉を敷き、強飯を葉に盛り、大根の煮付けに唐辛子をまぶしたものを添える。カワラケを里芋の葉にのせ、篠竹の箸2本を折敷にのせる。
 神官の祝詞奏上後、神輿から瓶子を下げ、裃陣笠姿の宮総代が白丁のカワラケへ神酒を注ぐ。白丁は両手でカワラケを捧げ持って差し出し、神酒を受ける。全員に注ぎ終わると、いっせいに神酒を飲み干し、折敷と篠竹の箸を持ち、すばやく里芋の葉に盛った強飯と大根を食べる。全員が食すと、白丁は両手に拳を握って突き出し、「オーッ」と喊声を上げる。立ち上がって神輿を担ぎ、境内を少し担いで戻り、御仮殿に安置する。
 5月5日の国府祭でも10時30分頃に神揃山手前の化粧塚で麦振舞神事を行う。まだ里芋が手に入らないので、かわりにツワブキの葉を用いる。数年前は沖永良部島から空輸で里芋の葉を取り寄せていた。国府祭では高校生から20才ぐらいまでの者が白丁をつとめる。

国府祭の麦振舞神事  撮影 2004.05.05


御神酒





喚声


国府祭の四之宮神輿渡御

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