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平成14年7月

平塚の考古資料50選

38. 祭祀に使われた小型銅鏡(さん猊鏡

遺跡名 構之内遺跡(平塚市中原上宿字構之内)
大きさ 径6.6 ㎝、重さ58.9g
年 代 平安時代(9 世紀)

三共株式会社平塚工場内の発掘調査で出土した銅鏡で、小型海獣葡萄鏡あるいはさん猊鏡とも呼ばれています。さん猊とは獅子に似た瑞獣のことで、隋唐時代の海獣葡萄鏡に葡萄唐草文とともに使われるモチーフです。この鏡では4 匹の走るさん猊が鈕の周りに表現されていますが、踏み返し(コピー) を繰り返したため文様が大きく崩れ、判然としなくなっています。
この鏡は9 世紀後半以降に建てられたと推定される掘立柱建物の柱穴から出土しており、この建物の建築の際に地鎮などの目的で埋められたものと考えられます。建物自体は周囲のものと規模や構造などに大きな差異は見られませんが、鏡を用いた「まつり」を行っていることから、特別な意味をもった建物であったことが想像されます。
海獣葡萄鏡の内区だけを抜き出してわが国で製作されたものと考えられますが、同様の鏡は全国的に見ても出土例が極めて少なく、また、埋納された年代がわかる大変貴重な例と言えます。


さん猊鏡

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