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平成14年7月

平塚の考古資料50選

23. 墓に供献された土器(大廓式土器

遺跡名 王子ノ台遺跡(平塚市北金目字王子ノ台)
大きさ 口径20 ㎝、高さ30.7 ㎝
年代 古墳時代前期(4 世紀)

YK 17 号住居跡から出土した大廓式と呼ばれる古墳時代前期の壺形土器です。粘土紐を貼り付けた口縁部と球形の胴部、強く屈曲した短い頸部を特徴とします。また、弥生時代の壺形土器に見られるS字結節をもつ縄文を、文様の一要素として残していることもこの土器の特徴です。
大廓式土器は静岡県東部駿河湾沿岸に分布の中心が求められており、とくに大形の壺は、中部地方から関東全域にかけて広く分布することから、土器の移動が注目されています。さらに、古墳時代前期の土器と並行関係が指摘されており、実際、YK 17 号住居跡からはこの大廓式土器のほかに、4 点の碗形土器が出土していますが、いずれも同形同大のもので、口縁部が屈曲する底部丸底の碗となります。この器種は近畿地方の古墳時代前期に相当する布留式との関わりが強いことから、YK 17 号住居跡出土の一括資料は、相模地域における当該時期の標識的な資料として注目されています。


大廓式土器

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