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平成14年7月

平塚の考古資料50選

2. 狩猟に使われた槍や矢(有舌尖頭器他) 

遺跡名 原口遺跡(平塚市上吉沢字吉浜)
年 代 縄文時代草創期(約12,000 年前)

有舌尖頭器は、縄文時代草創期に盛んに作られた石器で、槍や矢の先端部に装着された狩猟具と考えられます。原口遺跡では21 点も出土していますが、大きさや形状もバラエティーに富んでおり、使用された石材も硬質細粒凝灰岩、ガラス質黒色安山岩、チャートなど多種多様でした。これらの中には完形品もありますが、多くは先端や基部が欠損しており、それぞれ単独で出土していることから、水辺に集まる動物を狩猟する際に破損し、遺失または遺棄されたものと考えられます。
このほか草創期の遺物としては、隆起線文土器や爪型文土器の破片や、尖頭器・作りかけの木葉形尖頭器・剥片・削器・磨石などが谷部や台地縁辺部からまとまって出土しており、狩猟活動と相前後して、石器製作活動や野営が行われていたものと思われます。なお、黒曜石製石器の大半が伊豆七島の神津島産の原石を使用していることから、縄文人は草創期の段階から海洋へ乗り出していたことがわかります。


考古有舌尖頭器

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                                                              平塚市博物館 254-0041 神奈川県平塚市浅間町12-41

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