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平塚市博物館/二十三夜の月

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二十三夜の月(2004年11月6日)


写真
 「二十三夜塔」と呼ばれる石塔が、平塚市内にも数基あります。
 十五夜、十三夜とともに、月待ちという行事を行なっていた地域があるのです。十五夜や十三夜がそれぞれの家でお供えをするのに対して、こちらはどこかの家に集まって飲食をしたり、月を拝んだりして夜をすごすものでした。二十三夜講は、その代表的なものです。月の23日の晩に、講の人々が集まっていました。
 月待ちの行事の機能の一つは、人々が集い、飲食する楽しみを提供するものだったはずですが、今日ではそれぞれが都合を合わせたり当番を負担することの大変さから、あまり行なわれなくなってきているようです。二十三夜の石塔は、その行事が存在したことをこれからの人に示す、過去へのみちしるべになって行くのでしょうか。
 二十三夜には、写真のような形の月が、真夜中に昇ります。この夜、意地悪な雲がよどんで、月の出は拝めませんでした。梢を越える高さになって、ようやく雲の薄い部分に月が現れたので、あわてて写真を撮りました。足元を確かめずに草むらに入ったせいで、ズボンが草の実(長い芒がべとべとする、チヂミザサだと思う。きわめて厄介!)だらけになってしまいました。
 11月5日が旧暦9月23日で、撮影時には夜半を過ぎ、日付は6日に変わっていました。虫の声も微かになり、7日は立冬でした。

■写真■
おぼろに霞んだ二十三夜の月
(2004年11月6日 1時23分 神奈川県中郡二宮町にて)



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