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南の海で生まれた丹沢−珊瑚礁の化石−

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最終更新 2006年12月

「南の海で生まれた丹沢−珊瑚礁の化石−」


■丹沢の珊瑚礁
 
丹沢山地にはかつての海底火山の噴出物が1万メートルを超える厚さで積み重なっており、その岩石はグリーン・タフ(緑色凝灰岩)として知られています。丹沢を流れる相模川も酒匂川も河原の石に緑味がかった石が多いのは、そのためです。プレートテクトニクスの研究が進み、海洋や火山島の堆積物や溶岩の詳細が明らかになり、現在の火山島の様々な特徴や性質を基にして、過去の海底火山についても、次第に明らかになってきました。
 丹沢山地は1700万年前頃、古伊豆・小笠原弧(大島〜八丈島〜小笠原へ連なる孤の前身)の南の海の珊瑚礁で囲まれた海底火山として生まれ、フィリピン海プレートに乗って年数cmのスピードで北上し、500万年前頃、本州孤に衝突し、沈み込めずに付加したもので、100 万年前以降に、伊豆の衝突により急激に隆起したものと考えられています。丹沢が南の海で生まれた証拠として、海底火山からの厚い火山灰や、海底に流れた枕状溶岩などの他に、熱帯を示す珊瑚礁の化石が、丹沢各地で知られています。珊瑚礁に生息した化石には珊瑚礁を作るサンゴや石灰藻、大型有孔虫、オウムガイなどが発見されています。グリーンタフの地層に挟まれて、小規模ながら、山北町・松田町・清川村・道志村・大月市・秋山村・河口湖町で、これらの化石を含む石灰岩が見つかっています。これらの化石は、かつて丹沢が、オウムガイが生息する熱帯の海域であったことを物語っています。門田真人氏(元東海大学附属相模高等学校)は、丹沢で数多くのオウムガイ化石やサンゴ化石を見いだされ、その一部をご寄贈いただきました。
  

オウムガイの化石 ノウサンゴの化石
▲熱帯に生息するオウムガイ(アツリア)の仲間の化石 山北町白石沢産
▲ノウサンゴの化石
オオマルキクメイシの化石 キクメイシ
▲オオマルキクメイシの化石 ▲キクメイシ(千葉県 館山市 沼層)
ショウガサンゴの化石 現生のショウガサンゴ
▲ショウガサンゴの化石 ▲現生のショウガサンゴ
アオサンゴ化石 アオサンゴ化石の接写
▲アオサンゴの化石 ▲アオサンゴ化石の接写 (30倍)

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