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液状化の予測

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最終更新 2007年12月

液状化の予測



■液状化の予測
 液状化の予測(判定)にはいろいろな方法があり、大きく詳細予測法と簡易予測法とに分けられます。前者は地質調査や室内試験によって地盤の液状化強度と、地盤の解析により求めた地震時の地盤応力とを比較して液状化を予測する方法です。後者には地形情報からの予測、限界N値による判定、液状化抵抗率による判定等があります。
 こうした手法の中で最も良く用いられているのが、日本道路協会により提案されたFL法と呼ばれる方法で、深度1m毎に液状化抵抗率(FL値)を計算し、液状化の可能性を定量的に評価するものです。この方法では、深さ毎の液状化の可能性は評価できますが、その地点全体での評価には不便な面があります。
 神奈川県では、予想される南関東地震や神奈川県西部地震に対して、県全域に亘る液状化判定を行っています。県の実施した判定方法は、FL法により求められた深度毎のFL値を加え合わせて、1地点の最終判定とする方法です。この方法はPL法と呼ばれています。
 ここで液状化判定の対象とした土層は、平野を構成する沖積層のうち、地表から20mまでの部分で、平均粒径2mm〜0.02mmの砂〜シルトです。このFL法の判定では、地下水位・湿潤密度(単位体積重量)・N値・平均粒径・粒度分布を要素として使用しています。
■平塚市域での液状化の可能性
 阪神淡路大震災後、博物館では、市民参加の平塚地質調査会という会を発足させ、県の判定方法に基づいて平塚市域の液状化の可能性の予測を行いました。計算上で前提となる岩相毎の湿潤密度・平均粒径・泥分の割合は、平塚市域の粒度分析結果をまとめて平塚版を作成しました。地震により250ガル及び400ガルの加速度が与えられたときの液状化の可能性を計算しました。
 250ガル(震度6の下限値に相当)では、砂州・砂丘からなる市街地の大部分は液状化の可能性が低いものの、後背湿地や自然堤防の一部、谷底平野では可能性が高くなっています。一方、400ガル(震度7の下限値に相当)では、市域の大部分で液状化の可能性が高く、砂州・砂丘地帯の一部や相模川の河床礫が厚い地域で可能性が低くなっています。軟弱地盤分布図と比較すると、液状化の可能性が高い地域は、軟弱地盤の厚さと密接な関係があることが良くわかります。しかし、液状化は主に砂地盤で起こりますから、谷底平野などのように地盤が軟弱でも泥質堆積物が厚いところは、砂地盤で液状化の可能性が高いところと区別するべきかも知れません。なお、この図は液状化による被害を予想するものではありません。

平塚市域の液状化の可能性
▲平塚市域の液状化の可能性(400ガル時 平塚市博物館1996 平塚地質調査会による、 判定基準は岩崎他1978に基づく)


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