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石ころ図鑑 堆積岩(丹沢の凝灰岩 6)

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最終更新 2005年3月

石ころ図鑑  −相模川・金目川・酒匂川流域編−



堆積岩(丹沢の凝灰岩類 6)
 

玄武岩質凝灰角礫岩 玄武岩質凝灰角礫岩
▲玄武岩質凝灰角礫岩 [デブライト] ▲玄武岩質凝灰角礫岩 [ハイアロクラスタイト]
 山北町山市場・河内川  山北町谷峨鞠子橋・酒匂川
火山岩塊が含まれていますが、基質が多くなっているので凝灰角礫岩になります。大きい礫には角ばった黒みを帯びた多孔質の玄武岩が多くみられますが、暗青色の小さい礫も多量に含まれています。基質も暗青色を呈し、玄武岩質の凝灰岩です。こうした複数の種類の火山岩塊を含む角礫岩は、ほとんどが初生的な火山噴火による堆積物ではなく、二次的に運搬されて堆積したものと考えられます。 基質の多い青灰色の玄武岩質凝灰岩中に火山岩塊が含まれています。火山岩塊は斜長石に富む玄武岩で、周辺が急冷し緻密になっています。本質火山礫を持ち同質の基質からなるので、溶岩流が角礫化したハイアロクラスタイトと考えられます。
玄武岩質火山角礫岩 玄武岩質火山角礫岩
▲玄武岩質火山角礫岩 [デブライト]
▲ 玄武岩質火山角礫岩 [デブライト]
 山北町山市場・河内川  愛川町田代平山橋・中津川
10cm以上の大きな火山岩塊を含んでいます。礫の種類は異なり、沸石の入ったもの、ないし斜長石斑晶に富む玄武岩などです。こうした礫は噴火時に既に固化してた溶岩片であり、類質火山礫といいます。右手の礫はやや丸みを帯びています。基質はやや黒みを帯びた玄武岩質な凝灰岩で、礫より少なめです。多種類の礫を含むことは、この火山角礫岩が土石流などにより海底に運搬され堆積したことを示しています。土石流により運ばれた礫岩はデブライトと呼ばれます。 大きな火山岩塊を含んでいます。礫には複数の種類の礫が混じっています。礫の基質は暗緑色の凝灰岩ですが、礫に接して白色の沸石が多量に入り込んでいます。
火道角礫岩 ハイアロクラスタイト
▲火道角礫岩(石英斑岩) ▲ハイアロクラスタイト
 山北町大又沢法行沢・世附川  愛川町田代平山橋・中津
大小のトーナル岩や緑色片岩の角礫を含んでいます。岩石としては石英斑晶を含む石英斑岩で、火口の下部で急激な発泡ないし爆発を伴いながら併入固結したため角礫化したものと考えられています。 緑色の母岩の上に赤褐色の部分がついています。この赤褐色部はよくみると、斜長石斑晶を含み酸化した安山岩であることがわかります。また、この部分は角礫化して礫状になっており、基質部にも斜長石が認められます。したがってこの部分は安山岩のハイアロクラスタイトと考えられます。



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