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中央地下道から産出したタブノキ

平塚の地形地質 (4.平塚・平野の地形)

中央地下道から産出したタブノキ

最終更新 1998年5月

平塚駅西の中央地下道の工事の際、1964年(昭和39年)に地下 5.1mから長さ4m程の巨大な埋もれ木が発見されました。以下に磯村(1967)に基づいて、この埋もれ木の意味について紹介しましょう。この埋もれ木は標高2mの砂層より出土し、材質の同定の結果タブノキであることがわかりました。樹齢は300年ほどのようです。放射性元素を用いた炭素による年代測定の結果では、1950±50年前(西暦1950年を基準とする)という値が得られました。産出した地層は砂礫質であり、海浜に堆積した地層であることは間違いありません。とすると、この木が産出した東海道線付近は、約2000年前には海浜であり、漂着物としてタブノキが打ち上げられたことになります。 東海道線沿いのこの付近は標高10m程の微高地が連なり、砂州であったことがわかります。この地点から現在の海岸線までは1.4kmあるので、単純に計算すると700m/1000年の速度で海岸線が前進していったことになります。なお、このタブノキは現在、博物館に収蔵されています。

砂にうもれていたタブノキ(磯村1967より)

タブノキ出土位置




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