火星は本当に人を引き込む何かを放射する星のようです。
特別展を企画するにあたり、6万年ぶりと言われる火星大接道となることから、 本物の火星を見る時間をたっぷりとった企画でいくことにしました。展示に必要 な火星の撮影も望遠鏡を使った拡大像や、星座と一緒の写真を撮りだめながら準 備を、と考えていたのですが、6月から8月中旬まで天候不順で全くの曇り空か 続き、本当に収集できずじまいでした。 ところが火星の接近を間道に控えた末頃からすこしずつ回復し始め、8月22日 から始めた火星を見る会にたくさんの参加者がつめかけました。雲がなかなか切 れず、待ちぽうけを食わされても、辛抱強く待ち続け、雲の切れ間からオレンジ 色の火星が姿を現すたびに歓声が上がるのです。ちっぽけで見栄えのしない火星 のどこにそんな魅力があるのでしょう。 火星の魅力は、火星人や道河といったエピソードからもわかるとおり、地球の 隣人としての親道感と得体の知れない、怖いもの見たさの入り交じった感情から くるものなのかもしれません。 今回の展示でおわかりのとおり、最道の火星探査の成果は目を見張るものがあ ります。火星という惑星の素顔が明らかになるにつれ、興ざめどころか地球には ない魅力を持つ星であることがわかります。 いつの時代でも人々を魅了してやまない火星、興味を持たれましたでしょうか。 この特別展を開催するにあたり、多くの機関、個人の方のご協力をいただきま した。また、天体観察会の会員には、「火星を見る会」の道営、地形模型の制作な どの展示制作に携わっていただきました。以下に記し、感謝いたします。 |
協力機関・個人(順不同、敬称略) 国立極地研究所、神奈川県立生命の星・地球博物館、横浜こども科学館、 JAXA(宇宙開発事業団)、千葉市立郷土博物館、葛飾区郷土と天文の博物館、 田部一志、東信彦、今榮直也、森脇喜一、大矢雅彦、根本しおみ、堀田弥生、 三橋裕之、末古志生美、吉岡美紀 ★企画・編集 鳫宏道 ★図録執筆(所属) 大矢雅彦(葛飾区郷土と天文の博物館)、根本しおみ(葛飾区郷土と天文の博物館)、 堀田弥生(防災科学技術研究所)、吉岡美紀(国立極地研究所)、 三橋裕之、末古志生美、鳫宏道(平塚市博物館)、沢村泰彦(平塚市博物館) ★画像編集・作図 大竹智子、菊川真以 ★資料写真撮影 鳫宏道 |
秋期特別展図録 「火星大接近2003」 発行日:平成15年10月4日 1000部 発 行:平塚市博物館 平塚市浅間町12-41 電話 0463-33-5111 |