秋のよい空にオレンジ色に輝く火星がひときわ目立ちます。
秋期特別展に、この夏に話題となりました火星を取り上げます。 みなさまご存知のとおり、6万年ぶりと言われる火星の大接近が起こり、マ スコミも大きく取り上げていました。博物館でも「火星を見る会」を開催した ところ、大勢の市民の方々や市外、県外の方の参加をいただき、1986年のハレ ー彗星以来のにぎわいとなりました。 火星が関心を呼ぶ理由の一つは、太陽系の惑星のなかで最も地球に近い環境 を持つ星、ということがあげられます。近代の科学的な火星探求の動機に、火 星には火星人がいるのではないか、いや、せめて植物くらいは生きているので は、という期待感がありました。火星に探査機が飛び、火星人はおろか原始的 な生命も発見できていない現代においても、いまだに最大の関心事が、生命体 に関することなのです。 今回、最新の火星像をご紹介するとともに、人間が火星にどのような想いを 廻らしてきたのか、併せてご紹介いたします。 火星は将来の地球の姿を見せている、とも言われております。この機会に火 星を通して、地球についてもお考えいただければ幸いです。 特別展を開催するにあたり、各方面の個人、機関の方々にご指導、ご協力を あおぎました。ここに厚くお礼申し上げます。 平成15年10月 平塚市博物館 館長 土井 浩 |