ローエルが火星人説を発表した直後の1898年、イギリスの作家H.G.ウェルズは作品「宇宙戦争」で、火星人が来襲し、地球を占領する物語を書きました。
1938年、アメリカのCBSラジオがハロウィンの夜に、これを題材にニュース形式の演出で生放送したところ、当時の不安な世情や、俳優オーソン・ウェルズの名演もあって、真実の報道と勘違いした聴者がパニックを起こし、大きな騒動となってしまいました。1953年にはアメリカで映画化もされています。 原作(原題:The War of the Worlds)はSF古典の名作とされます。圧倒的な兵器で破壊の限りをつくした火星人は、バクテリアに対する免疫がなかったため死滅し、地球が回復されるという結末も、今日、地球人が火星に進出しようと企てる方法と重ねてみると、まだ面白さを失っていません。 火星は小説の題材として、他の惑星に比べ数倍の人気があります。これには「火星人」のイメージが加担しているのでしょう。20世紀後半になると、探査機の活躍で現実世界の「火星人」を論ずる余地はほとんどなくなりましたが、それでも「火星人」は繰り返し作品世界に現われます。ある意味で、もはやそれは近代文明の中で発生した「文化」的な、定番のモチーフのひとつなのかもしれません。 |
火星を舞台にしたり、火星人が登場する物語は多い |
火星人 (想像図) |
火星人というと、H.G.ウェルズ以来なぜか「タコ」型のイメージがあります。これにも
1.火星は重力が小さいので足は細くてすむ 2.太陽から遠いので目が発達して大きい 3.空気が薄いので肺が発達して大きく、そのぶん頭が大きくなる。 等々、根拠があるようです。 |
インターネット書籍サイトで検索したヒット数 |
本の表題にそれぞれの惑星名を含むものを検索した合計です。
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