平塚の星空 (美しい星空を守るために)

美しい星空への取り組み

最終更新 1998年5月

都市で星が見えにくい主な理由は、地上から発する街灯などの人工の光が大気中のチリなどに反射して、夜空が自然の状態より明るくなるからだと考えられています。夜の街にはたくさんの”明かり”がともります。工場やオフィスの窓、道路、交差点、公園、お店のネオンなど、さまざまな所から光を放ちます。また、一口に街の明かりと言ってもいろいろな種類があります。ハイウエイ灯、防犯灯、ポール灯、クルマのヘッドライト等の投光電球類、アプローチ灯、門灯、グラウンド照明用のHID投光器、広告塔、ネオンサインなどなど。星が見えにくいのは夜の街を明るくする明かりが原因ですが、これらがすべて、夜空を明るく照らしてしまっているのでしょうか。

平塚の市街の照明。
道路を照らすハイウエイ灯はその役割上地上を効率よく照らすよう規格化されています。ポール灯は公園や商店街のアーケード、歩道などに使われています。いろいろなデザインがあり、中には地面より空を照らしているようなものは考えものです.  右の2枚写真は博物館のある文化センター公園内の照明灯です。上のほうの写真は光束がほとんど下に向かい、上方を照らしていないことがはっきりわかります。一方、下の写真はほとんどの光束が周辺にまき散らされているだけで機能的ではありません。ビルの上に見かける大きな広告塔なども投光器を組み合わせて光がかなり空に向けられています。  こうしたいわばむだに空に向けられた光が星を見えにくくしていると考えられています。近年では有益でない光の害を総称して光害という呼び名も使われるようになってきました。なにも照らすことなく空へ漏れる光はエネルギーの浪費でもあります。


地面に光がいく街灯
美しい星空を守る町
 岡山県美星町には全国的に注目されている光害防止条例があります。町では「星の郷づくり」に取り組み、公開天文台として有名な美星天文台を保有しています。  この条例は第1条の目的に「光害の防止と適正な照明に関し、町、町民及び事業者それぞれの責務を明らかにするとともに必要な事項を定めることにより、町民の生活に必要な夜間照明を確保しつつ、光害から美しい星空を守ることを目的とする。」とあります。。  その目標は、人工の光による夜空の明るさの増加の程度が自然の状態の夜空の明るさの1割を越えないこと、としています。そのための照明の基準などを事細かに決めています。  私たちもせめて七夕祭りの時に天の川が見られるくらいの星空を持ちたいものです。


光が空に漏れる街灯