星を撮るには
写真フィルムは、光を「感じる」ことによって、記録します。星の光は暗いので、撮るにはISO400から1600といった高感度フィルムを使いますが、それでもまだ明るさが足りません。そこで、10秒以上の長いシャッタースピードを使って、星の光をフィルムに当て続ける(露出する)必要があります。カメラを手で持って支えていたのでは必ずぶれてしまいます。三脚などに固定しなければなりません。 固定撮影とガイド撮影 星の撮影では、カメラの固定のしかたに、三脚に固定してカメラを動かさずに撮影する「固定撮影」と、望遠鏡に使う赤道儀にカメラを固定し、星の動きを追うようにカメラを動かしてゆく「ガイド撮影(追尾撮影)」があります。 星はゆっくりですが空を動いているので、固定撮影では、長く露出をすると(たとえば50mm標準レンズでオリオン座を20秒以上)星はフィルム上で軌跡の線を引き、伸びた形に写ります。かすかな光まで写し込むために、5分、10分も露出しながら星を点の姿に保つにはガイド撮影をする必要があるのです。 | |
固定撮影:1985年8月22日つる座 |
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ガイド撮影:1985年8月22日 つる座 星座の撮影に向いたカメラ 天体写真では、望遠鏡や望遠レンズは小さな対象を拡大して撮影する時に使います。月や惑星の拡大撮影、小さな星雲星団の撮影などです。が、星座には、焦点距離50mmくらいの標準レンズや、35mm〜28mmくらいの広角レンズが一般に適しています。むしろ大事なのはF値で表わすレンズの明るさで、F1.4〜F2くらいの明るいレンズが有利です。 カメラボディは、シャッタースピードにB(バルブ)があるカメラを使います。最近は多機能のフルオートカメラがほとんどですが、ほんとうはちょっと古臭いマニュアルの一眼レフカメラのほうが星を撮るには便利です。オートのカメラでも写すことはできますが、ピントが無限に固定できる必要があります。また、長時間露出をするので電池を早く消耗してしまう場合があるのです。ポケットカメラはたいていレンズが暗く、ピントも固定できないことが多いので、星の撮影には不向きです。 |
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