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夏期特別展「平塚の生きもの地図」
平塚市博物館公式ページ

夏期特別展「平塚の生きもの地図」より 会期:平成16年7月17日(土)~9月5日(日)

-増えてきた外来生物-


  今まで見たことのない動植物が急に増えてくることがありますが、多くの場合、それは外来の種類です。今回の展示で紹介した、そうした外来種のいくつかを紹介しましょう。生きもの地図を作っていくことは、こうした種類の動向を把握していく上でも大きな武器になります。

●タイワンシジミ/用水路などに多く見られる殻が黄色っぽいシジミです。一見すると在来種のマシジミに似ているので、気づかれてこなかったのですが、実際にはマシジミはほとんど絶滅しており、それにかわってアジア原産のこの種が増えていることが分かってきました。伊勢原市にある向上高校の生物部が熱心に分布調査を行っており、城山町から平塚市にかけての相模川、金目川の流域一帯で、マシジミが見つかったのはわずか1ヶ所、それ以外はすべてタイワンシジミでした。展示では、その調査結果が紹介されています。また、水槽には実物のタイワンシジミも飼育していますので、じっくり見てください。向上高校の園原先生のお話では、在来のマシジミと間違えて積極的に放流したようなこともあったようで、知らない内に外来種を増やしてしまった例としてあげられるでしょう。

●コハクオナジマイマイ/西日本原産のカタツムリで、殻の中央に黄色い内蔵が透けてみえるのが特徴です。植木か何かについて持ち込まれたらしく、1998年に平塚の土屋で見つかったのが関東地方では2ヶ所目の発見でした。その後グングンと増え、今では土屋や吉沢ではもっとも数の多いカタツムリになっています。農作物に被害を出している場所もあり、今後の動向が気になる種類です。

●アライグマ/近年、神奈川県で急速に増え、いろいろな問題を引き起こしているほ乳類です。アメリカ原産のこの動物は、ペットとして人気があり、野外に放す不心得な人がいたために野生化しました。鎌倉市から三浦半島にかけての地域では、もっとも数の多いほ乳類になっており、農作物被害を出しているほか、小網代の森でアカテガニをさかんに食べるなど、生態系への影響も心配されています。平塚では、今のところ、はっきりした生息情報はありませんが、気をつけていきたい生きものです。展示室では、県立生命の星地球博物館からお借りした剥製を展示しています。

●イケノミズハコベ/ごく最近増えてきた外来植物で、平塚では2003年5月に初めて報告されたばかりですが、急激に増え、金目などでは用水路を緑色に埋め尽くしている場所もあるほどです。国内では、山梨県、神奈川県津久井町などでクレソンを栽培している湿地で見つかったのが最初でした。水草は、水の流れに乗って運ばれるので、猛スピードで広がることがあります。

展示中のアライグマの剥製 特別展「平塚のいきもの地図」会場
展示中のアライグマの剥製 特別展「平塚のいきもの地図」会場

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