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姿によるコミュニケーション

野鳥の観察 (6.コミュニケーション)

姿によるコミュニケーション

ガイドブック14 野鳥の観察 平成7年3月発行

鳥は種類によって様々な目立つ模様を持っています。こうした模様はフィールドマークと呼ばれ、我々が鳥の種類を見分けるのに役だっていますが、鳥たち自身もこの模様をコミュニケーションにいかしています。
模様を目立たせたり、特別のポーズをとることをディスプレーと呼び、それによって鳥はいろいろな気分や意志を他の個体に伝えています。それはいわば姿による視覚的なコミュニケーションであり、それが行われる代表的な場面は求愛と争いです。
求愛のディスプレー(コートシップディスプレー)は、もっとも華やかな行動で、雄と雌がつがいを作る前後に繰り広げられます。複雑なディスプレーを経てつがいが作られることは、同じ種類の個体がつがいを作る上で重要な役目を持っています。求愛のディスプレーには積極的に異性を誘ったり近づいたりしたい欲求が現れています。
争いのディスプレーには、相手を威嚇する要素と、なだめたり相手に服従する要素の両方が含まれており、時にはその矛盾した気持ちが羽づくろいのような転位行動になって現れることもあります。威嚇のディスプレーで相手が逃げ出せば、実際の争いは回避されることになり、無駄なエネルギーを使わないですむ利点があります。

77-1コサギの求愛ディスプレー

77-2 タマシギの雌の求愛ディスプレー
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