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虫をとる

野鳥の観察 (4.食べる)

虫をとる

ガイドブック14 野鳥の観察 平成7年3月発行

林や野原の小鳥類の主食は、特に繁殖期には昆虫やクモです。これらの鳥たちは、枝先や草の間を活発に動き回っては、虫を見つけ、くちばしではさみとって捕らえていきます。鳥の持つ鋭い視力と軽快な動きは、葉の間に潜む虫も能率的に見つけだしていきます

P35-1
★枝先の虫をとる
カラ類は、細い枝の上を巧みに動き回って虫を探していきます。両足で枝にぶら下がっているようすは器械体操をしているように見えます。

P35-2
★葉先の虫をとる
ヒガラやキクイタダキはしばしば枝先でホバリング(→p.22)して、虫をとらえます。

P35-3
★枯れ木の虫をとる
枯れ木にも多くの虫が生活しています。キツツキ類はのみのような鋭いくちばしを持ち、枯れ木の樹皮をはがしたり、幹に穴をあけたりして採餌します。また非常に長くて、先が粘る舌を持っていて、細いすき間を探って虫をとることができます。

P36-1
★空中の虫をとる
昆虫の多くは飛ぶ力を持っています。また気流に吹き上げられて空中を漂っているものも多くいます。こうした虫も鳥の重要な餌になっています。
ツバメ類・アマツバメ類・ヨタカは飛びながら幅の広いくちばしで虫を捕らえています。ヨタカの場合は口を開いたまま飛び回り、口に入ってくるものを餌にしているようで、口の回りのひげが捕虫網の役目をしています。
飛んでいる虫のもう一つの捕らえ方が「フライキャッチング」です。これはオオルリ・エゾビタキなどのヒタキ類によく見られる方法で、枝先など見晴らしのよい場所にとまってあたりを見張り、近くに虫が飛んでくると、飛び立ってくわえとり、またもとの場所に戻ります。幅の広いヒタキ類のくちばしはこの採餌法に都合のよい形です。セキレイ類・ヒヨドリなどもこのフライキャッチングを用いることがあります。
また、飛んでいる虫を器用に捕らえる鳥にチゴハヤブサがあります。この鳥は、飛びながらトンボを指でつかみとることができるのです。チゴハヤブサが神奈川県に現れる秋の渡りの時期には、たくさんのアキアカネが飛んでおり、チゴハヤブサの狩を観察する機会も多くあります。


☆チェック☆36表

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