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オートライシズム

野鳥の観察 (4.食べる)

オートライシズム

ガイドブック14 野鳥の観察 平成7年3月発行

畑を耕している耕運機の後をムクドリ・ハクセキレイなどがついて歩き、掘り起こされた土の中にいる虫を探していることがあります。
また、アマサギはウシ・ウマなどについて歩き、動物が歩くにつれて草むらから飛び出してくるバッタなどを捕らえます。アマサギを英語で「cattle egret」と呼ぶのは、この習性に由来しています。
こうした例のように、鳥が自分の生活のために、他の動物や人の活動を積極的に利用することを「オートライシズム」と呼んでいます。このちゃっかりした行動は、効率のよい採餌に結びつき、アマサギではその種の生まれつきの習性といってよいほど、広い地域の多くの個体に使われています。
草刈りをしている人をモズが見張り、出てきた虫を捕らえるなど、オートライシズムと呼べる行動は意外に多く見られるものです。鎌倉ではタイワンリスがかじったナツミカンをヒヨドリが利用した例が報告されています。こうした場合には、ヒヨドリのごく一部の個体だけに見られる行動ですが、今後どう広がっていくかが注目されます。どんな鳥が、何を利用していたか記録してみましょう。

42 耕運機に集まるムクドリ

☆チェック☆42表

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