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電線にとまる

野鳥の観察 (1.歩く)

電線にとまる

ガイドブック14 野鳥の観察 平成7年3月発行

電線が出現したのは100年ほど前のことです。環境の中に新しく出現したこの人工物を鳥がいつ頃から利用したかは明らかではありませんが、多くの鳥が積極的に利用している現状から考えると、小枝にとまる鳥には電線は利用しやすい人工物であったと予想されます。
どんな鳥が電線にとまるかについては日本野鳥の会が行ったアンケートがあり、127種もの観察例が集められています。そのうち7割にあたる92種はスズメ目の小鳥類で、ハト類・タカ類などを合わせると、陸鳥が全体の95%を占めています。その中での珍しい記録はアマツバメの例でしょう。水鳥では、ゴイサギ・ササゴイ・コサギ・クロサギ・ユリカモメ・ウミネコの6種類だけが記録されています。やはり、水鳥は電線が苦手なようですが、他にも新しい種類が記録できるかもしれません。

☆チェック☆
電線にとまっている鳥をリストアップしよう!

★とまった姿から
電線にとまっている時には、全身がよく見えるので鳥のプロポーションやとまり方を観察するのによいチャンスです。とまり方は垂直に近いでしょうか、水平に近いでしょうか。脚の長さはどうでしょうか。スマートでしょうか、太り気味でしょうか。

☆チェック☆5表



★並んだ鳥
ムクドリやカラスはしばしば電線にずらっと並んでとまります。そのとまり方を見ると、体を接してとまっているわけではなく、ある距離をおいてとまっていることが分かります。その距離は、お互いにストレスをあまり感じないために必要な距離ということになるでしょう。その距離は、相手が違う種類だと違ってくるでしょうか?

6-1 電線に並んだムクドリ

P5
★風向きを知る
鳥は風のある日には風上に向かって飛び立ちます。ですから電線にとまっている鳥がみんな同じ方向を向いているならそちらが風上ということになります。


P6-1
★冬には「ふくら雀」
 同じ鳥でも季節によって大きさが違って 見えることがあります。それは冬になると防寒対策として、羽毛をふくらませて空気 の層を厚くするからです。

☆隣の鳥を書いてみよう☆P6-2

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