わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

ヤマアカガエル

カエルと淡水魚 (カエルのなかま)

ヤマアカガエル

最終更新 1998年5月

Rana ornativentris
(アカガエル科)
ニホンアカガエルとたいへんよく似たカエルで、体の両側を通る体側腺の曲がり方と鼻先の尖り方に気をつけて見分ける必要がある。ヤマアカガエルの体側線は鼓膜の後ろではっきり曲がっており、鼻先の尖り方は弱い。また、喉に黒斑を持つ個体が多い。オタマジャクシでは、ニホンアカガエルには胴の中心の左右に黒点があることで区別できる。生活は両種ともよく似ていて、早春の2月頃にいったん冬眠からさめて、湿田などの水たまりに産卵し、再び冬眠に戻る。卵塊は透明な寒天質に包まれた塊で、数百個の卵が入っている。産卵期以外は丘陵や山地の林床で生活している。丘陵から山地に広く分布しているが、平塚での卵塊とオタマジャクシの分布調査によると、産卵地は谷戸田に限られている。これは産卵時期が早春であるため、その時期に水がはいっている湿田でないと産卵できないためと思われる。谷戸田は、ヒキガエルやシュレーゲルアオガエルの産卵地としても重要で、水べの生物の生息地としてぜひ保全をはかりたい環境である。

ヤマアカガエル

ヤマアカガエルの分布

アカガエル類の卵



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