わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

アユ

カエルと淡水魚 (コイ科以外の淡水魚)

アユ

最終更新 1998年5月

Plecoglossus altivelis
(アユ科)
アユは相模川を代表する魚であるだけでなく、日本の川のシンボルともいうべき魚である。姿の美しさ、ほのかな苦みのある野性的な味、生態の面白さのどれをとっても川魚の女王にふさわしいといえる。年魚と呼ばれるように1年で成熟し、秋の終わりに川の中流下部の礫のある瀬に集まって産卵する。かえった稚魚はただちに海に下り、プランクトンを食べながら冬を過ごす。体長7〜8cmの成長したアユは春に川をさかのぼり、夏から秋の初めまでの季節を川の中流域で過ごす。この時に1匹1匹が縄張りを持つことが多いことが知られており、川底の石についた藻を食べて生活している。秋の終わりには川を下って産卵し、アユの一生は終わりになる。こうした生活史を両側回遊型と呼んでいる。相模川では、かってはこのようなアユの生活が毎年くり広げられていたが、水質の悪化、堰やダムの建設で川をさかのぼるのが難しくなったことなどで、アユが減り、放流によって、アユを維持しようという試みがさかんに行われている。その前提としては、川自体がアユのすめる環境を保っていくことが重要である。アユは重要な漁業資源でもあり、相模川のアユは江戸に出荷されていた時代もあった。現在は釣りの対象として人気が高い。


アユの形態図


アユの分布


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