平塚のお祭り -その伝統と創造- (I)

2 神をまつる 

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

 古くは、神は常在せず、年に一度、お祭りの日に訪れ、氏子のもてなしを受けて帰っていくと考えられていました。お祭りにはそうした古い神観念が形式化して残っています。お祭りが近づくと、通りに〆縄を張り、神の訪れる空間を清浄に保ちます。神は高く掲げられた幟を目印に氏子の元を訪れます。行灯や灯籠、提灯などの明かりも夜に神を招くためのものです。神へ供物をし、祝詞をあげ、歌舞や囃子でもてなすことが、神の力を更新することにつながり、五穀豊穣や地域安全がもたらされます。下げた供物を直会でいただき、神の御利益を受けて、明日からの活力を得ます。