平塚でただ一つの時宗の寺の教善寺山門には地蔵堂があり、中に日眼地蔵と名付けられた石造の地蔵菩薩が安置されています。台座の上にのった均整のとれた彫りの優れた座像で、有手に錫杖、左手に宝珠をもった浮き彫り像で、安政6年(1859)の年号が刻まれています。台座には「當山三拾三世東陽院但阿真立和尚 當山三十三世中興前興徳院覚阿信立和尚 日限地蔵大菩薩 日をきりてかなひてよとの願にぞ つれの誓ひのゑにしなりけれ 安政六己未年十一月廿四日建」と彫られています。
日限地蔵というのは、文字どおり日を限って祈願すれば、その願いがかなえられるいう地蔵のことです、地蔵尊の前にはロウソクや花などが進ぜられていて、供養や祈願は続けられています。日限地蔵は、平塚ではこれだけかもしれませんが、全国的には比較的多く見られます。地蔵信仰は江戸時代になると、日限地蔵とか縛られ地蔵、塩地蔵など、さまざまな祈願の方法をもって庶民の間に広まりました。 | |
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