●大地の壁
「大地の壁」のコーナーでは、岩石を作る鉱物にスポットを当て、丹沢の鉱物・沸石の仲間・ 鉱物の結晶形・金属を主成分とする鉱物・珍しい鉱物を陳列しています。きれいな鉱物にもいろいろな形があり、様々なでき方があります。
●丹沢の鉱物
丹沢山地は、海底火山から供給された火山噴出物が厚く堆積した凝灰岩類からなります。こ の凝灰岩類は熱水の変質を受けて緑色を呈しており、グリーン・タフと呼ばれています。この緑色は緑泥石・緑簾石・セラドン石などの変質鉱物からなります。粗粒な凝灰岩の空隙や玄武岩溶岩の気孔には、各種の沸石や石英・玉髄・方解石・ブドウ石などの鉱物がよく見られます。
西丹沢の地下深所に貫入した深成岩類中には、石英脈や黒雲母・角閃石の巨晶が見られ、深成岩と石灰岩との接触部にあたる山北町白石沢では、珍しい菫青石(いぼ石)や、ベスブ石 が産します。
●沸石の仲間
沸石は水分を含み、加熱すると発泡する性質があることから名付けられました。沸石は、堆積物が地下に埋没した弱い圧力の条件下で、凝灰岩中の火山ガラスが交代されたり、熱水溶 液が岩石の隟間に侵入したりして生じます。脈状をなすことも、溶岩の気孔や空隟を埋めることもあり、丹沢でも最もよく見られる鉱物のグループです。透明~白色で、数多くの種類が知られています。沸石に含まれている結晶水は加熱して脱水しても構造が壊れず、水分のあった 所は隟間として残り、再び水やガスやイオンを吸着する性質があります。この性質を利用して、脱臭剤や吸着剤などに利用されています。
●金属を主成分とする鉱物
鉄や銅、鉛などの金属成分を多く含む鉱物は、私達の生活の中では、金属を取り出して利用する事が多い鉱物です。ここでは、精錬して金属を取り出す鉱石鉱物と、金属は取り出さないが、金属成分を主成分として含む鉱物を展示してあります。
●珍しい鉱物
世界で初めて日本で発見された新種の鉱物、 生成が稀な鉱物、発見されにくい鉱物などを展示してあります。結晶の形や形態が面白い鉱物 には、2つの水晶が組合わさった日本式双晶や、まんじゅう石・鍾乳石などがあります。