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地盤の液状化

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地盤の液状化



■液状化とは
 平野の地盤(特に砂地盤)で地下水位の浅い場所が地震により繰り返し振動を受けると,砂粒同士の摩擦やかみ合わせが切れて、地下水と土粒子とが混合された液体の様になります。こうなると、今まで受けていた荷重を土粒子で分担できなくなり、その分が地下水に作用して地下水圧が上がり、地下水は地盤のわずかな隙間や弱い部分を伝わって細かい土粒子と一緒に地上に吹き出し(噴砂という),火山の噴火口のように砂がたまります。地震がおさまって地下水圧が下がってくると,砂の粒子は徐々に沈降して,新しい配列となり、最終的には多くの場合地表面は沈下します(下図)。この様な現象は1948年の福井地震を契機として研究が始まりましたが、“液状化”と呼ばれて一般的に広く知られるようになったのは昭和39年(1964)の新潟地震からです。
■液状化による被害
 液状化が発生すると、一般的に次のような被害がでます。
① 地盤の沈下: 液状化により地下水が地上に噴き出すと、地盤が沈下し、基礎が地表近くにある建造物も沈下します。杭などで深い地盤に支持されている構造物では、沈下量が少ないため、外部の下水管などと高さの差が生じたり、出入口付近に段差が生じたりします。沈下量が場所により異なると(不等沈下という)、建物自体や,床や柱などが傾いたりします。沈下は、道路や鉄道、地下埋設物などにも影響を及ぼします。
② 構造物の浮上がり: 地下にある建造物で内部空間の大きい構造物(マンホール・下水管・浄化槽・ガソリンタンクなど)は、体積に比べて比較的軽く、液状化現象が発生すると地下水圧が高くなって浮き上げようとする力が働きます。その結果として、地上に突き出てしまったマンホールや地下タンクなど、新聞やテレビなどの報道でよく見かけます。
③ 地盤の側方流動: 堤防や護岸、道路の盛土部、岸壁など、高低差がある地形の箇所では、地下水のある緩い砂地盤が地震動を受けて液状化すると、土の液体”という性質となって、地盤全体が低い方へ流れようとします。このような現象を“流動化(現象)”と言います。この流動化現象によって護岸や道路が蛇行したり、傾斜したり,倒壊したりします。
■液状化しやすい地形
 一般に液状化しやすい地形として、自然地形では湾岸、三角州、河口、砂丘間凹地、砂丘の縁辺、沼、旧河道、河川沿い、扇状地末端、自然堤防縁辺、谷底平野などがあげられ、人工地盤では、浚渫による埋立地、沼・湿地・水田・谷地形の盛土地、道路・鉄道・堤防などの砂による盛土地などがあげられます。
■液状化しやすい地盤
 一般にN値が20以下の緩い砂層(シルト質砂〜中砂)で、粒子が比較的揃い、地下水が浅く飽和状態にある場所が液状化しやすいといわれます。しかし、千葉県東方沖地震では細粒分(0.074mm以下)を50%以上含む砂でも液状化現象が生じました。図44は過去の液状化した地盤の粒度分布を表したもので、50%値が平均粒径となります。この図を見ると平均粒径として0.03〜0.5mmの粒子:砂質シルト〜中砂)が液状化の可能性が高いといえます。逆に言えば、地下水面より上位の地盤、粗い砂礫や粘土からなる地盤は液状化の可能性は低くなります。
■市域の土質特性
 博物館の平塚地質調査会では、平塚市域の地盤の特性をみるため、平塚市で実施したボーリング調査による資料から粒度組成や密度などについてまとめました。下図はその一部を図化したもので、微地形毎の粒度組成の違いを表しています。自然堤防・旧河道・後背湿地・谷底平野は、同様の曲線をなし、粒子が不揃いで淘汰が悪いのに対し、砂州砂丘では粒子が揃っていて淘汰がよいことがわかります。過去の液状化地盤の組成と比べてみると、平塚市域の砂の大部分が液状化の可能性のある範囲に含まれます。

液状化発生過程
▲液状化の発生から終了までの過程
過去の液状化特性
過去の地震のよる液状化の粒子特性
          (平塚市博物館1996)
地形毎の粒度組成
▲平塚の地形毎の粒度組成
          (平塚市博物館1996)


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