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大磯丘陵の活断層の分布

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最終更新 2007年12月

大磯丘陵周辺の活断層の分布


 ■大磯丘陵の位置づけ
 プレート境界域の変動帯である大磯丘陵周辺には、数多くの活断層が知られています。下に活断層の分布と、活断層の活動度などの一覧を掲げました。活断層は平均変位速度からA・B・Cの3ランクに区分されています。これらの活断層のうち、トレンチ発掘やボーリング調査・年代測定などの詳細な調査によって、最新の活動履歴や活動周期が明確になっているものはごくわずかであり、大部分の活断層の履歴はよくわかっていません。
 現在のプレート境界は、相模トラフから国府津−松田断層を走り、富士と箱根の間を通って、駿河湾に至ります。このプレート境界沿いに、大きな変位量を持つ活断層が走っています。
■大磯丘陵の形成とテクトニクス
 大磯丘陵は相模湾にある沖ノ山堆列の一部が陸上に顔を出したものと考えられています。大磯丘陵は、30万年前以降に隆起を始め、15万年前以降に国府津−松田断層の活動により急激に隆起しました(山崎1993)。北西方向にフィリピン海プレートが進行しながら、国府津−松田断層が活動し、大磯丘陵が隆起することを説明するモデルとして小山(1995)があります。その説では、フィリピン海プレートの進行により、北西−南東方向の弱線に東伊豆単成火山群や東伊豆沖海底火山が形成され、これにより真鶴マイクロプレートが北方へ移動し、本州弧へ潜り込むことにより国府津−松田断層が動き、大磯丘陵が隆起していると考えられています。
■大磯丘陵の活断層
 下の図からは大磯丘陵が断層で囲まれたブロックであり、国府津−松田断層(14)で足柄平野と、渋沢断層群(18,19)で秦野盆地と、伊勢原断層(1)などの南北性断層群(2-4)で相模平野と接していることがわかります。大磯丘陵は松田〜国府津の丘陵西縁、鷹取山周辺、湘南平周辺で起伏が大きく、国府津−松田断層(14)と生沢断層群(9)は相模湾海底谷に延長しています。相模平野と足柄平野の勾配の相違も明確です。湘南平は大磯海脚の陸上部に相当します。表に断層名と断層の性質・特徴を示しました。

活断層図
▲大磯丘陵の活断層の分布
 (陰影図は国土地理院数値地図50mメッシュ標高データに、財団法人 日本水路協会 海洋情報研究センター発行の海底地形データM7001を加えて作成。等高線間隔は20m、等深線間隔は10m。 活断層は活断層研究会1991,宮内・他1996ab,東郷・他1996ab,神奈川県1996, 1999a, 2003ab, 2004. 2005, 狩野他1978,関東第四紀研究会1987,国土地理院2006,佐藤1976,上杉他1980,内田他1981,山崎・町田1981,山崎1993,山崎・水野1999等を用いた。国土地理院承認番号 平19総使 第144号)
活断層表

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