わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

石ころ図鑑 堆積岩(丹沢の凝灰岩 7)

平塚市博物館公式ページ

最終更新 2005年3月

石ころ図鑑  −相模川・金目川・酒匂川流域編−



堆積岩(丹沢の凝灰岩類 7)
 

ハイアロクラスタイト(急冷層有) ハイアロクラスタイト(含枕状角礫)
▲ ハイアロクラスタイト(急冷層有) ▲ハイアロクラスタイト(含枕状角礫)
 津久井町早戸川上流  津久井町早戸川上流
礫状に見える岩石と基質の部分は同質であり、斜長石や輝石が認められます。礫状の岩石の周辺は急冷されて細粒となっています。したがってこの岩石は火山角礫岩ではなく、輝石安山岩の自破砕溶岩です。安山岩礫中の白濁した球状の結晶は溶岩の気泡を後から埋めた沸石類です。 周辺にガラス質な急冷部を持ったいくつかの枕状溶岩の破片が認められます。枕は外側だけがガラス質で、枕の壊れた部分には急冷層がありません。枕を取り巻く周囲は変質してやや白色を帯びていますが、枕の部分と変わりがありません。この岩石は枕状角礫岩で、枕状溶岩からハイアロクラスタイトに移化する途中のものです。
ハイアロクラスタイト ハイアロクラスタイト(急冷層有)
▲ハイアロクラスタイト ▲ ハイアロクラスタイト(急冷層有)
 山北町日向酒匂川河原  山北町日向酒匂川河原
青黒色の玄武岩が破砕され、角礫状を呈していますが、基質部が少なく、割れた礫が接合できる状況です。これは溶岩流から自破砕溶岩へ移行する過程を示す岩石です。礫状の玄武岩はすべて同質で、斜長石斑晶が確認できます。基質はその後の変質を受け、白っぽくなっています。 青黒色の角礫はすべて同一の岩石からなり、斜長石斑晶が顕著であり玄武岩であることがわかります。礫の周囲はすべて急冷されガラス質になっています。基質は白味を帯び細粒になっています。水中に流出した溶岩が破砕されて生じたハイアロクラスタイトです。
ハイアロクラスタイト ハイアロクラスタイト
ハイアロクラスタイト ▲ハイアロクラスタイト
 秦野市水無川上流・本谷川  秦野市水無川上流・本谷川
青灰色の礫が多量に入った岩石で火山角礫岩のように見えます。しかし、礫状の岩石はいずれも同質の玄武岩の破片で、その周囲は急冷されてガラス質になっています。玄武岩片には細かな斜長石が認められます。白っぽい基質にも同様の斜長石が含まれ、水中に流出した溶岩流が破砕を受けて生じた岩石です。 赤褐色の岩石を多量に含んだ火山角礫岩のように見えます。礫は白色の斜長石や白色球状の沸石を含み、同質の安山岩礫です。礫の周辺に急冷層を持っているものや、2つの礫が接合できるものもあり、基質部は暗緑色を呈しているものの、水中溶岩流が水冷し角礫化して生じたものと考えられます。



石ころ図鑑へ戻る

大地の窓へ戻る

 博物館トップへのリンク

平塚市博物館 254-0041 神奈川県 平塚市 浅間町12-41
電話:0463‐33‐5111 Fax.0463-31-3949

ページの先頭へ