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石ころ図鑑 岩石を作る鉱物 2

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最終更新 2005年3月

石ころ図鑑  −相模川・金目川・酒匂川流域編−



岩石を作る鉱物 2

石英脈 石英
▲石英脈 [母岩:緑色片岩] ▲石英 
 山北町谷峨鞠子橋・酒匂川  山北町大又沢法行沢・世附川
白色脈には石英脈、沸石脈、方解石脈・葡萄石脈があります。石英は後二者に比べて硬度が高いので、ナイフで傷をつけることができません。鉱物に傷をつけてみると石英かどうか調べることができます。 花崗岩などの斑晶としてみられる場合は無色透明ですが、石英脈として見られるときは、白色塊状の産状を示します。緻密で、極めて硬く、劈開がないのが特徴です。良く知られた水晶は石英の低温型の自形結晶です。
沸石脈 方解石脈
▲沸石脈(菱沸石)[母岩:凝灰岩] ▲方解石脈 [母岩:小仏層群砂岩]
 秦野市書策新道  愛川町田代平山橋・中津川
この表面についている白色の脈も方解石と同様、ナイフで簡単に傷がつき余り硬くありません。しかし希塩酸では発泡しないので、方解石とは異なります。良くみるとマッチ箱をつぶしたような結晶が見え、菱沸石であることがわかります。沸石は低温の変成作用で形成され、流域の各地の岩石に認められます。数多くの種類があり、結晶形も様々です。玄武岩や安山岩の溶岩に見られる気泡を埋めた白色の鉱物の大部分は沸石です。 褐色の岩石の表面に薄く白色の鉱物がついています。これは岩石中に薄く挟まれる白色脈の所で割れたもので、脈に平行な面からみたものです。微細な結晶からなり、ナイフで簡単に傷がつきます。希塩酸をかけると反応して発泡するので炭酸カルシウムからなる方解石であることがわかります。石灰岩や大理石はこの方解石からなる岩石です。
黄鉄鉱 緑廉石
▲黄鉄鉱 [母岩:凝灰岩] ▲緑簾石
 秦野市渋沢・峠  秦野市水無川上流・本谷川
金属光沢を持つ鉱物でしばしば肉眼で見られるものに黄鉄鉱があります。黄鉄鉱は黄色味を帯び、硫化鉄(FeS2)からなります。火成岩が熱水変質を受けた岩石に良く生じています。この他岩石に良く含まれる金属鉱物に黒色の磁鉄鉱があります。磁鉄鉱は砂鉄としてよく認められます。 黄緑色の鉱物で、脈をなして生じていることが多く、緻密で結晶は肉眼ではみられません。色調に特徴があります。火成活動の末期に脈として晶出するほか、低温型の結晶片岩にも見られます。写真では斜め方向に筋(断層条線)が見え、断層運動によりずれたことを示しています。この面を断層鏡肌といい、丹沢の緑簾石にはよくみられます。



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