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平塚八景の地学ハイキング−湘南平・霧降の滝

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平塚八景の地学ハイキング −[湘南平]・[霧降の滝・松岩寺]−


平塚市では、市制施行50周年を記念して、昭和57年4月に、平塚市の代表的な景観等を、市民の推薦のもとに「平塚八景」として制定しました。ここでは、そのうち、「湘南平」と「霧降の滝・松岩寺」について地学的な側面から紹介しましょう。

■湘南平
 湘南平から見た丹沢
標高179mの湘南平は、「神奈川の景勝50選」にも選ばれ、家族連れやハイカーでにぎわいます。好天時には山頂展望台から360度の大パノラマが展望できます(写真)。西方には、伊豆の天城山、箱根火山の真鶴岬〜白銀山・明星ヶ岳〜金時山の箱根外輪山と、カルデラ内に二子山・駒ヶ岳・神山がそびえています。金時山の右には矢倉岳が富士山の南斜面の下に見えます。このあたりから右手の低い尾根筋が足柄山地です。右手に高度を増して丹沢の表尾根に続いています。塔ヶ岳〜大山に至る表尾根の稜線に丹沢山の尾根が重なってスカイラインをなしています。大山の右手には鋸の歯のような大山三峯がみえます。この丹沢山地は南の海の海底火山として誕生し、本州に付加して山地となったものです。丹沢山地の右手には相模平野が広がり、市街地となっています。この平野は相模川が丹沢山地から土砂を運んで作られた平野です。冬の好天時には遠く、横浜のベイブリッジや新宿・池袋の高層ビルまで見通すことができます。
 この湘南平は、なぜ平らなのでしょうか。江ノ島に行くと、波打ち際に岩場が広がっています。この岩場は関東地震の際に、海底にできていた波食台が隆起したものです。湘南平が平らのは、江ノ島と同じく、こうした地震により、かつての波食台が何度も隆起を繰り返し、徐々に高くなったものなのです。湘南平が波食台であった時期は13万年ほど前であることがわかっています。テレビ塔の南側に遊歩道沿いにはこの波食台が露出しています。

■霧降の滝・松岩寺

松岩寺の不老水松岩寺は、長い石段を登った台地の上にあり、文亀2年(1502年)に建立し、開山され、曹洞宗の修行場であったといわれます。境内の不動堂には、国の重要文化財の不動明王立像が安置されています。寺の裏には不老水と呼ばれる湧水があります(写真)。この湧水はこの台地を作る段丘礫層の基底を流れる地下水が湧いているものです。ここからは、湘南平方面がよく望めます。ここから700mほど歩いたところにある、霧降の滝は、丸い礫の入った礫岩に懸かっています。この地層は鷹取山礫岩層と呼ばれる500万年ほど前に、浅海に堆積した礫岩です。礫の種類をみると、白い斑点状に結晶がたくさん入った安山岩溶岩が多く、丹沢起源の凝灰岩の礫より径が大きいのがわかります。この南東にある鷹取山付近には、かつて、鷹取山火山と呼ぶべき火山があり、そこからもたらされたようです。この滝の北側の尾根にある八塚古墳の石室も同じ岩石からできています。日本武尊が腰掛けたと言い伝えのある立石の巨岩は、この鷹取山火山を作る岩石からなります。



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