9 まつりの世界
9 まつりの世界



●まつりとは
 原始・古代人の日常生活にも収穫する喜び、病気の苦しみ、人が亡くなったときの悲しみ、地震や火災に対する不安・恐怖などがつきまといます。その様々な思いが形として現れるのが「まつり」です。願いや祈りを込めた遺物をとおして、くらしの中から生まれた「まつり」の一端を探ります。

●有孔鍔付土器(上ノ入遺跡・縄文中期)
 この土器の特徴は鍔の上に孔が開いていることです。用途は発酵器、太鼓、貯蔵具の機能が考えられていますが、近年は発酵器と理解されています。この土器には蛙の文様が施され、赤彩が施されています。蛙は冬に冬眠し、春に再び出現しますので、縄文人は不思議な魔力・霊力をもった生き物と考えたようです。その力にあやかって、縄文人も「再生」を願ったのではないでしょうか。

有孔鍔付土器

●三角縁四神二獣鏡(真土大塚山古墳・古墳前期)
 鏡に描かれた四神と二獣は天空に住む東王父と西王母の神(ともに人の不死を司る)と、それらに使役される獣(龍は東、虎は西の方向を指す)を表します。この鏡を使う人に長寿と昇仙を約束する内容と考えられています。いつの時代でも長生きを願うことに変わりはありません。
 鏡は大和王権が地方の特定の首長との友好関係を維持するために配布されたものです。首長は王権に貢物や労働を提供する役目を担わされましたが、その代わりに武器等を手にすることができました。


三角縁四神二獣鏡


→展示室案内へ戻る