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相模川の生い立ちを探る会 2004年11月 秦野浅間山・高取山

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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録

第155回 2004年11月28日 秦野 浅間山・高取山


■丹沢の中部層を見る

コース:蓑毛−蓑毛越−浅間山−高取山−聖峰−栗原

今回は,表尾根の大山から連なる尾根を歩き、「丹沢の中部層を見る」をテーマに、丹沢山地を作る地層を観察しました。
 集合場所の蓑毛バス停では、富士溶岩の大きな丸い河原石(造園業では門下石?という)でできた銘板を観察してから、出発しました。バス停から少し歩いた蓑毛越えへの分岐には七沢石で作られた常夜灯が置かれ、登山道も石畳で整備されていて、歴史ある大山参りの道と思われました。今日のコースでは丹沢層群の中部層である大山亜層群本谷凝灰岩層・唐沢川凝灰岩層、最後に上部層の煤ヶ谷亜層群大沢凝灰岩層が見られるはずでしたが、残念ながら露頭に乏しく、風化も著しかったため、それぞれの岩相の違いなどを観察するには至りませんでした。蓑毛越えの尾根に出るまでの登山道では、セラドナイト化した軽石質凝灰岩(火砕流堆積物)の露頭が数カ所で見られました。大部分は火山礫凝灰岩〜粗粒〜細粒凝灰岩と移り変わるタービダイトの繰り返しからなっているようで、それにデイサイト質軽石凝灰岩が挟まれているようです。蓑毛火山角礫岩に属する火山角礫岩は土石流堆積物(デブライト)と思われます。ドレライトの岩脈も1箇所で観察できました。走向は概ね南北性の東傾斜のようでしたが、一部で西傾斜の箇所もあり、背斜構造になっているのではないかとの話しがありました。
浅間山から高取山の尾根沿いでは露頭に恵まれませんでしたが、登山道の途中では秦野盆地を眼下に見、渋沢丘陵や大磯丘陵・金時山〜矢倉岳を展望でき、高取山や聖峰観音堂での展望はすばらしく、相模平野の全景が展望でき、伊勢原断層・高座丘陵・中津原台地・相模野台地・多摩丘陵・横浜のランドマークタワーまで見渡せました。    (M.I)

蓑毛バス停での集合風景 デイサイト質軽石凝灰岩の露頭
▲蓑毛バス停での集合風景後ろに富士溶岩の円礫からなる玉石が見える。 ▲登山道中のデイサイト質軽石凝灰岩(火砕流堆積物)の露頭。やや手前に傾斜する。
ドレライトを玄武岩が貫く 登山道で大山亜層群の観察
▲ドレライトを無斑晶質の玄武岩が貫いている。 ▲登山道途中に露出する大山亜層群の地層を観察する。
蓑毛越で一休み 東大地震研究所地震観測施設
▲蓑毛越で一休み。 ▲尾根沿いに東京大学地震研究所地震観測施設があった。
無線中継所付近を高取山に向う 高取山山頂で相模平野展望
▲無線中継所付近の尾根を歩き、高取山に向かう。 ▲高取山山頂では伊勢原台地が間近に、後ろに相模平野が眺望できた。

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