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相模川の生い立ちを探る会 2004年7月

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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録

第151回 2004年7月25日 足和田山


■足和田山〜紅葉台歩く

○コース:富士河口湖町大嵐〜足和田山(1355m)〜三湖台〜紅葉台〜鳴沢村焼間

 今回は,「富士と衝突境界」をテーマに河口湖と西湖の間にある御坂山地前面の山である足和田山〜紅葉台を歩きました。この山地は河口湖と西湖の南に張り出し、富士山に向かい合っています。この山地は足和田山礫岩層とよばれる礫岩からなり、丹沢山地の衝突と関係しているのではないかと考えられます。そこで、この山を歩きながら、丹沢の衝突を考え、同時に富士山の寄生火山や溶岩流の地形も展望しようと企画しました。
 大嵐から足和田山への登山道は地図と大きく変わっており、四苦八苦しながら、尾根筋の東海自然歩道へ出ました。その途中で、足和田山礫岩なる地層をよく観察することができました。この地層はよく円磨された扁平礫にとむ細礫岩から中礫岩よりなり、級化成層(層の中で粒子が上方へ細かくなる)がよく発達していました。下位になると砂岩となり、上位に向かって礫のサイズが大きくなります。これは明らかに浅海の地層で、水深の深い海から浅い環境に次第に移り変わっていることを示しています。東海自然歩道の尾根筋では、砂岩が多くなり、礫岩層より下位の、水深の深い部分も見られました。
 足和田山は五湖台とも呼ばれ、展望台があるものの、河口湖の一部が見えるに過ぎませんでした。ここからは富士の寄生火山である大室山や長尾山などを望むことができましたが、天候に恵まれず、すっきりとはみえませんでした。三湖台(1202m)の方が展望が開け、西湖や青木ヶ原樹海がよく見晴らせました。最後に焼間ヶ原溶岩や青木ヶ原溶岩を観察して帰路につきました。焼間ヶ原溶岩にはカンラン石の結晶がよく目立ちました。

コースの説明 足和田山礫岩層の露頭
▲大嵐小学校前で、今日のコースと内容を説明。 ▲足和田山の尾根を作る礫岩層の露頭。親指大以下の中礫礫岩層からなる
扁平な海浜礫層 断層の観察
▲よく円磨された扁平な礫で、海浜に堆積した地層であることがわかる。 ▲礫岩層には断層がいつくも認めれた。右側が落ち込んだ正断層である。
登山道沿いのタマネギ石 砂岩のサンプルを採集
▲砂岩質の部分にはタマネギ石がよく見られる。亀裂から風化が進むにつれて、次第に丸くなっていく。 ▲登山道沿いで固結した砂岩のサンプルを採集する。
五湖台の展望台 三湖台から望む大室山
▲五湖台には展望台があり、天候がよければ富士や寄生火山がよく観察される。 ▲三湖台からは大室山や長尾山などの富士の寄生火山がよく眺望できた。青木ヶ原溶岩の樹海や西湖も眼下に望めた。

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