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海浜礫の移動からみた海浜流

平塚の地形地質 (4.平塚・平野の地形)

海浜礫の移動からみた海浜流

最終更新 1998年5月

相模湾沿岸にみられる礫から堆積物の移動について調べた結果があります(荒巻・鈴木1962)。それによれば、酒匂川からもたらされた西丹沢起源の石英閃緑岩礫の大きさや割合を調べたところ、酒匂川から東へ大きさも割合も次第に減少していることがわかりました(下図)。このことはこの地域の礫が東方へ向かって運搬されていることを示しています。底質の粒度も同様な結果を示し、西から東への海浜流系が卓越していることを示しています(下図)。海岸に平行な礫や砂の移動は波が海岸に斜めに入射したときに起こるといわれ、寄せ波で海浜に斜めに打ち上げられ、引き波で海岸線に直交して引きずられます。この繰り返しが礫や砂を移動させることになります。もう一つの要因としては、砕波帯で巻き上がった砂が沿汀流や離岸流により移動する過程があります。この2つの作用が合わさって堆積物を移動させるといわれています(茂木1971)。

相模湾沿岸の石英閃緑岩礫の変化(荒巻・鈴木1962)

相模湾岸の底質の粒度分布(茂木1971)




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