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周期の長さについて

太陽黒点活動第23周期の概要

周期の長さについて


 第23周期の大きな特徴は、活動の低調さとともに、第23周期が長かったということである。すなわち第23期の活動は、低調でかつ長く続いたと総括したい。これについてもう少し詳しく述べることにする。
 第23周期の相対数値による極小は1996年5月、極大は2000年4月であった。
 当館の観測値では、1996年8月が13ヶ月移動平均の最小値である。極大は2000年年初と2002年のふたつのピークを形成しており、両者の比較では2002年の数値がいくぶん高い[2]。前2周期の長さが10年前後であったのに対し、第23周期は、開始以来2009年年初時点ですでに12年半を経過する。少なくともこの100年で最長の周期である。公称される極小から極大までの長さは、前2周期に対し半年~1年長く、極大の到来が遅れた。当館の観測値の最高値はさらに2年ほど遅れている。
 すでに述べたように23期の減衰期の相対数は、22期に対し、直前の極小からの経過年月をそろえた場合には上回っている。これも極大の時期、すなわち増加から減少に転ずるタイミングが遅れたためと見ることが可能であろう。
 極大の時期に形成したふたつの相対数のピークのうち、時期が遅れた2002年のピークは、南半球の活動においてとくに顕著である。この傾向は第22周期においても見られた。二つめのピークの存在が原因で、相対数のグラフの増減は21期に見られたような一般的な形状とやや趣を異にする。すなわち周期の前半に急激にピークを形成し徐々に減衰するパターンが一般的であるのに対し、22、23周期のグラフは周期の中央付近にピークがあり、左右対称に近い形になった。一方で減衰時のグラフの勾配は、22、23期で大きな差は見られない。
 22期、23期ともに、相対数のグラフは南北でやや非対称になっている。南半球のピークが北半球よりも遅れている。23期においては、減衰もやや北半球が先行する形になった。上述した全体のピークの遅延も、南半球の動向が大きく影響しているといえよう。


[2] SIDCの公称値と異なる。ピークが高原状で不明瞭である上、二つのピークを形成することから、観測精度の誤差から逆転が生じたと思われる。


図3
第21~23活動周期の相対数比較

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