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海水を飲む

野鳥の観察 (4.食べる)

海水を飲む

ガイドブック14 野鳥の観察 平成7年3月発行

ハトの仲間のアオバトは不思議な習性を持っており、海水を飲みに、海岸の岩礁に群れで飛来します。大磯町の照ヶ崎海岸は全国的にも飛来数の多い海岸として有名です。
照ヶ崎にアオバトが飛来すのは主に春から秋にかけてで、だいたい5月から10月まで観察できます。最盛期の7月から8月にかけては、1日に150回以上も群れが飛来し、その最高数は100羽を越すことがあります。岩礁に降りたアオバトは、水たまりにくちばしをつけて海水を飲みます。その飲み方はもちろんハト独特のゴクゴク飲みです。
照ヶ崎のアオバトの大部分は丹沢山地から飛来すると推測されており、その飛来コースなどについても調査が続けられています。また、岩礁に降りて水を飲むだけでなく、尾羽を海水に浸す行動も記録されており、それがどのような意味を持つのかなど、解明すべき課題がたくさんあります。

P54

54 飛来したアオバト

アオバトがなぜ長距離を飛んで海水を飲みに来るかについても、はっきりした答はでていません。ただ、アオバトが木の実を専門に食べる果実食の鳥であるためにミネラルが不足し、それを補うために海水を飲むのではないかと推測されています。アオバトが温泉の水を飲むこともあることは、その推測を裏付ける情報になります。

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