わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

12月 レジンペレットとは?

平塚の水辺 (海辺の自然)

12月 レジンペレットとは?


 先月にお知らせした、ビーチクリーンアップの報告の中に「レジンペレット」という言葉が出てきました。聞き慣れない言葉だと感じられた方も多かったと思いますが、これが今、世界中で海の環境問題の一つとして注目されている物体なのです。
 レジンペレットは、ビーズのような外見のプラスチックの玉で、つぶれた球形をしていることが多く、円筒形やおむすび型のものも見られます。色は半透明か白が多く、赤や黄色に着色されたものもあります。その正体は、プラスチックの半製品で、これを溶かして整形し、さまざまな道具や機材を作るのだそうです。もともとは工場で使われるはざうのこの粒が、初めて野外で見つかったのは、1970年代初めで、大西洋のサルガッソ海でのことでした。その後、世界中の海岸で打ち上げられたレジンペレットが見つかるようになり、日本でも全国から報告されています。
 レジンペレットがなぜ、野外で見つかるようになったのかの原因はよく分かっていないのですが、輸出入の途中で港などで荷崩れしたとか、工場の排水にまざって流れ出したなどの可能性が考えられています。いずれにしても、人間の管理の不行届きのために、世界中では膨大な量の粒が自然環境中に流出してしまっていることは間違いありません。
 このレジンペレットは、砂の上ではほとんど目立たないので、普通のゴミよりも問題が少ないのではないかと思われるかもしれませんが、一番の問題は海に浮かんでいるこの粒を餌と間違えて飲み込む動物がおり、魚や海鳥の消化器の中から多くのレジンペレットが発見されているという点にあります。プラスチック自体は無害ですが、添加剤・可塑剤などとして加えられている物質の中には発ガン性を持つものがあり、また海中で有害物質を吸着している可能性も指摘されています。消化器内でこうした物質が溶け出せば、動物の健康に悪影響を及ぼす危険があるのです。また、消化できないものが、消化器の中にたまっていくと、満腹感だけが生じるために正常な食生活が乱される恐れもあります。
 浜辺で見つかる小さな粒も、人間の活動が自然環境に与えている影響の一つだと考えながら、観察してみてください。また、見つけた粒は持ち帰って頂ければ幸いです。

砂浜に打ち上がったレジンペレット(中央上に見える丸い粒)

レジンペレットのいろいろ(右下のスケールは1cm)




ページの先頭へ